次のページを開くとそこには前のページと同じように赤い文字で書かれた『許さない』の文字。しかし、前のページと違うところは、そこには4人の名前がしっかりと書かれていることだった。酒井夕実、木村奈留、穂高沙希、そして
「崎元・・・」
そこに書かれたのは名字は違うけれど、私と同じ名前があった。そして、その名前は他の文字よりも大きく、力を込められて書かれているみたいだった。
「この子が、ちゃんと同じ名前やったんやな」
「じゃあ、これは違うってことか?」
「あぁ。おい、、次のページを開け」
跡部部長に言われて私は次のページを開いた。そこには前のページとは違い、最初の方のページの様に普通の日記帳の様に書かれていた。しかし、そこには最初のページの様に穏やかな事はかかれてない。
今日は酒井夕実を階段に呼び出した。何も気付かないこいつを階段の後ろから押してやれば面白いくらいあっさりと階段を落ちていった。腕や足はありえない方向に曲げ、苦しみもがく姿に思わず笑いそうになった。
「グロいCー」
「俺ちょっと気分悪くなりそうですよ」
「でも、この光景をは見たんだろ?」
「あ、うん」
「・・・お前、本当に女か?」
「日吉、さすがの私も怒るよ?」
私がそう言えば、日吉は黙って視線をかえた。私だって、別に見たくて見た光景じゃない。
理科室で待っていると木村奈留が来た。私が準備しておいた硫酸を思いっきり、かければすごい悲鳴をだした。かければかけるほど顔の形が変わっていくのに笑いがこみ上げてくるのが、分かったけど「やめて」と言われて嫌な気分になった。私が何回、やめてといってもやめてくれなかったのに、どうしてやめてあげなちゃいけないの。絶対に許さないんだから。
さすがに、私が2人を殺したのことを知っているのか穂高沙希は私を苛めようとはしなくなった。だけど許すつもりはない。明日は調理実習がある。その後にでも絶対に殺してやろうと思う。
調理実習の後、穂高沙希を呼び出すと私を怯えた顔で見ていた。まだ何もしていないのに許して、ごめんなさいと連呼するから、少しだけ意地悪してあげた。あの時のこの子の顔といったら今思い出しても面白い。もう3人殺した。あとは一人だけ。
「何だよ、こいつ。意地悪って・・・」
「許して欲しいという女の子に許してあげるって言った後、『なーんて、言うと思ったの?』って」
「それはきっついなぁ」
「ですよ、ね」
鳳の顔は青ざめていた。こういう話は得意じゃないんだろう。私はそんな鳳を気遣いつつ、次のページをひいた。しかし、そのページ以降、何もかかれていなかった。
「あと一人ってもしかして崎元か?」
「わかんないです」
だけど、その可能性は十分大きい。そして、あの子と言うのが崎元なんだろう。崎元とこの日記帳の持ち主に何があったのか。
「新聞を調べて見ましょう。その日記帳に年も書かれてるし、こんな事件があったら新聞に載ってるはずです」
「若の言うとおりだな」
「じゃあ、私はアルバムを調べてみます。この日記帳の持ち主の名前も知りたいですし」
「よし、お前ら各自調べてくれ」
跡部部長の言葉に私は分厚いアルバムを開いた。しかし、この図書室に入ってからずっと疑問だった事がある。どうして、この図書室に幽霊は現れないのだろうか。他の教室にいるときでも幽霊に襲われそうになったのに、ここでは幽霊に襲われていないし・・・おかしいと思うのだけど。何か、この図書室にあるのか。そうだとすれば、この図書室にはなにがあるのだろうか。図書委員でもある私でも、その謎はわからない。
*****
分厚いアルバムをめくっていく。そこには生徒一人一人の写真と名前が記されており、容易に見つかるかと思っていたけれど、さすがマンモス校の氷帝学園だけあって生徒数も多い。見つけるとなると結構な労力がいりそうだ。宍戸先輩や忍足先輩も手伝ってくれているけれど、実際あの女の子を見たのは私だけだ。私がしっかりしないとと自分に言い聞かせる。
「ちゃん、この子」
「あ、はい?」
「"崎元"って書いてあるで」
忍足先輩に渡されたアルバムを見れば、そこには二つ結びではないけれど、確かに私にあの日記帳の場所を教えてくれた女の子の顔があった。その隣を見れば、髪の長い女の子が今まで見た事のないような笑顔で写っている。
「"青木裕子"」
「そのこがどうしたん?」
「これが、3人を殺した犯人です・・・・」
「何だと?!」
忍足先輩と宍戸先輩がアルバムを覗き込む。
「どこにでもいる普通の女子に見えるんだけどな」
「そうやなぁ・・・苛められてそうには見えん」
「、新聞にあったぞ!」
ハッとして声のほうをみれば日吉がこちらを見ていた。その顔にはなんとも複雑と言った表情がうかんでいる様に見えたのは私の見間違いなのだろうか。
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(2007・08・15)
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