今日はなんと先日の立海へのおつかいのご褒美としてお休みを1日もらいました。

はっきり言ってまさか本当にもらえるとは思っていなかったので榊監督から言われたときは

思わず持っていた跡部部長のタオルを泥の上に落としてしまいました。










もちろんそれを見てしまった平部員Bくんにはしっかり口止めをさせていただきましたよ?








しかも、私以外の部員は朝から夕方まで部活なので最高に幸せです。

人が学校行っているときに休むのってとても気分がいいですよね。


























平凡な日々

〜ご褒美な休日・1〜



















私は立海へと来た道を思い出しながら神奈川へと来ていた。先に言っておくけど、断じて立海のテニス部に会いにきたというわけではない

今回の目的はこのまえ目をつけておいた喫茶店のケーキである。











「(早く着かないかな)」










思わず高鳴る鼓動を抑え、私は喫茶店への道を急ぐ。喫茶店を目の前にして、もう一度メニューの確認すれば、

チーズケーキに、チョコレートケーキ、もちろん王道のショートケーキも美味しそうにディスプレイしていた














これだけ種類があると何にしようか迷うけど、今回は「あれ、もしかしてだろぃ?」











呼ばれた名前に振り返れば、そこには真っ赤な髪をした少年がガムを膨らませながら立っていた

それも、なかなか美形な少年である。道行く女の子が顔を赤くしながら少年の顔を見ていく













「お前もここのケーキを食べに来たのかよ」











お前も、と言う言葉に少しだけ嫌な感じを受ける。この少年もどうやらここにケーキを食べに来たらしいが

初対面の人にお前なんて言われる筋合いはないと思う。って言うか、本当に誰だこの人?







「お前もしかして覚えてないのかよ・・・?」




「え、あ、いや、覚えて無い事もありますけど




「って、あるのかよ!!」











うわ、この人良いツッコミするなぁ







思わず感心してしまった。しかし、どっかで見覚えがあるようなきもしないこもないんだよなぁ

こんな派手な髪形なら忘れなさそうなんだけど。それに美形だし(むしろこちらのほうが重要な問題だ













「あ、もしかして立海の方ですか?」





「そうだぜぃ。立海の天才と言えばこの丸「すみませんが、私忙しいのでこれで」











私は赤髪少年が話し終わる前に今来た道を戻ろうとする。そうだ、この人は確かに立海にいた

他の人があまりに強烈過ぎて少し忘れていたけど













「って、待てよ!!」




「ちょ、離して下さいよ!!私、貴方と知り合いになるつもりはありませんから!!」




「まぁまぁ、お前もここのケーキ食いに来たんだろ?ここのケーキうまいんだぜぃ!!」










私の腕を掴むと有無を言わさず喫茶店への中へと連れ込まれてしまった。

本当、私の意見を聞くとかしてくれないのかと心の中では不満を言いつつ、道行く人を見れば、視線がとにかく痛かった。














特に女の子達の目が恐すぎて泣きそうだった。これじゃあ、学校に居るときはほとんど変わらないじゃないか












ほぼ無理やりに連れてこられた席に座らされ、向かい側には赤髪少年が座る

ニコニコと笑う赤髪少年には悪いが即刻ここから逃げ出してしまいたい。もうケーキなんて食べれなくても良い

そう思えるくらい私にはこの状況(周りの女子から睨まれてるよ★)は耐え切れない












「いきなり何するんですか。私さっき言いましたよね?貴方とは知り合いになるつもりはないと




「お前、結構きつい事言うんだな」









目の前の赤髪少年が少しだけ頬を引きつらせながら言う。

だけど、私がこれから受けるダメージに比べれば私の言葉のダメージなんて可愛いものだと思う

きっと私はこの赤髪少年といると言うだけでこの喫茶店にいる女の子から睨まれつつ陰口を言われ









なおかつ、もしも今後街で会うようなことがあれば問答無用で裏道へと
・・・あ、うん、そこまではないか














「で、お前何のケーキ頼む?」




「何だかんだ言いつつ、私の話はすべて無視なんですね」










私はもう過ぎてしまったことだと(実際は今現在起こっていることなんだけどね)諦めため息をついた

メニューを見ればそこにはおいしそうなケーキが沢山のってある。何を食べようかと考えていると既に注文を聞きに来ていて焦った














「俺は、まずはショートとチョコとチーズとコーヒーで」





「(まず・・・?!)私はショートケーキと紅茶をお願いします」












この男どれだけ食べるんだと思いつつ、注文を聞きに来た可愛い女の子は顔を真っ赤にして戻っていった

あぁ、あの子も腹の中では私のことを罵倒しているんだと思うとすごく悲しくなった











「あぁ、そういえばまだ言ってなかったな。俺は3年の丸井ブン太って言うんだ。シクヨロ!!」





聞いてないんですけどねー





「なぁ、お前ってどうやって氷帝のマネージャーになったんだよ?氷帝ってずっとマネージャーとってなかっただろぃ?」











私の話を無視して質問してくるこの赤髪少年もとい、丸井さんに殺意が芽生えそうになる

と言うか、どうやってマネージャーになったかなんて、むしろ私が教えてほしい事である。いや、マジで












「その事なら、むしろ私が教えてほしいですよ。あ、丸井さん何かしりません?」





「俺から聞いたって事、わすれてるだろぃ?」





「たんなる冗談で
「あ、仁王先輩、丸井先輩あそこにいますよ!!」」










あれ、この声は聞き覚えあるよ?と思いつつ、声のしたほうを振り返ればそこにはワカメ少年と銀髪少年が立っていた。

まさか私がここにいるとは思っていなかったのかワカメ少年は眉をゆがめ、明らかに嫌そうな顔をする。










私としては正直、嬉しくてたまらない。だって、こういう顔をするってことは私とは関わらない事を望んでるってことでしょう!!










「なんで、この女がここにいるんッスか?!」




「喫茶店の前で会ったから、一緒に入ってきたんだぜぃ」




「ほぉ、ブン太よくやったのぉ」




「仁王先輩、何言ってるんスか!!俺、この女がいるなら帰りますから」





「じゃーなー、赤也」




「気をつけて帰りんしゃい」










「酷・・・!!」








なんだか、可哀想な扱いを受けるワカメ少年には思わず同情してしまう。この前、あんな事言われたのだから(お使い編参考)

別に同情なんかしなくても良いとは思うけれど、この扱いは流石に酷すぎる。

それに、このワカメ少年はある意味吾郎の犠牲者でもあるのだ。







好きになった女の子が男だった時のショックは考えられないくらい大きい事だろう












「まぁ、赤也そう言わんで座りんしゃい」



「・・・なんで俺が」









未だ文句を言いつつ、ワカメ少年は丸井さんの隣に座った。そのせいか必然的に銀髪少年が私の隣に座る

隣を見れば胡散臭い笑顔を浮かべる銀髪少年に私の顔は思わず引きつってしまった。

この少年は油断できないと、本能が告げる。そして、より一層女の子からの視線は厳しいものへと変わるのが分かった









「何、あの女ー」




「ブサイクの癖に」








私だって好きでここにいるんじゃないやい!!







・・・危ない、危ない。あまりにウザイ視線に自分のキャラを見失ってしまった


斜め前からはワカメ少年が睨んでくるし、隣の男はニヤニヤしているし忍足先輩属性か?

目の前の男はケーキが来るのをそわそわした様子で待っているし、













せっかく部活が休みでも、これじゃあ意味がないじゃないか・・・!!

















拝啓 氷帝男子テニス部の皆様




部活を頑張っていらっしゃるでしょうか?私はせっかくの休みをこの男達のせいで潰されてしまったようです。

これなら大人しく跡部部長にパシられていた方がマシだったかもしれません。  敬具




















  











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(2007・09・08)