初めて吾郎さんに会った時、「よろしくな、鬼太郎!!」と言われたことは今でも良く覚えている。って言うか、忘れられない
平凡な日々
〜集え、氷帝探偵団!!・小話〜
神尾視点
俺が吾郎さんに初めてあったのは深司と行ったストテニ場だった。
そこには桃城と越前、そして吾郎さんがいた。俺も(多分)深司も最初は吾郎さんのことを女だと思っていた
だから、吾郎さんの一言は衝撃的だった
「俺、青春学園中等部3年の吾郎って言うんだ。よろしくな、鬼太郎!!と伊武くん」
「・・・・」
「・・・なんだか、俺、神尾のおまけみたいじゃない?なんで俺が神尾のおまけじゃないといけないんだ「深司分かったから、ちょっと黙れ」」
いや、だって青学のセーラー着てたら誰だって男とは思わないだろ。思う奴がいたら、そいつも吾郎さんと同類だぜ?
とりあえず、それからは会うたびに鬼太郎やらリズムやら名前で呼ばれたことがない。
最初のうちは俺の名前を覚えてないんじゃないかと思ってたんだけど吾郎さんの場合はわざとだ。
俺をからかって遊んでるんだあの人は・・・・!!
深司も見ている限りではあの人のことが苦手みたいだ。まぁ、深司の性格を考えると分からなくもないけど、俺にボヤくのだけはやめて欲しい
それも吾郎さんのことでボヤき始めると止まらなくなるから尚更困る。俺のリズムがあっても、深司のボヤきからは逃げ切れない
いつもと同じ部活の帰り道。今日は早く終わったから、また深司とストテニ場に向っている
橘さんも誘ったけど、今日は用事があって来れないらしい。そのことを、隣の深司はまたボヤいている。
俺だって杏ちゃんが来れなくなって、ショックだって言うのに、コイツは!!
「なんで、橘さんがこれないわけ。また、神尾とテニスかよ。ってか、いつも神尾と打ち合ってるような気がするんだけど
たまには違う奴と打ちたいよなぁ。神尾とテニスしてもリズム、リズム煩いし、まったく俺の気になってほしいよ。」
「俺はお前に俺の気持ちを知ってほしいけどな!!・・・あぁ、そう言えばこの前、吾郎さんの妹に会ったぜ」
「途中で人の話、止めるとか人としてありえないよなぁ。まぁ、俺は別に気にしてないけど・・・って、は?」
「だから、吾郎さんの妹に会ったんだって!」
「煩いなぁ、そんな叫ばなくても聞こえてるよ。それにしてもあの人妹いたんだ」
「あぁ、俺もこの前、会ってから初めて知ったんだけどな」
「吾郎さんの妹か。どんな奴だった?」
深司が珍しく興味津々と(見た目ではわかりにくいけど)言った様子で聞いてきている
確かにあの吾郎さんの妹と言われたら、誰だって興味がわくだろう
「普通の女の子だったぜ。ありゃ、吾郎さんの性格に散々振り回されてるって感じの性格だな」
「へぇ。女版吾郎さんみたいじゃないのか。それなら、会ってみたいかもなぁ。
吾郎さんの妹なんて大変だろうし、俺だったら考えられないね。」
「俺も吾郎さんが兄だったら、嫌だな」
別に吾郎さんのことは好きだけど、吾郎さんと兄弟なのは勘弁だ。毎日あのテンションでこられたら、さすがの俺もリズムが間に合わないし。
そう思いながら、ふと前を見れば氷帝の制服を着た女の子の姿が見えた。この前会った、吾郎さんの妹にすごく似ている気がする
「あれ?あそこに見えるの吾郎さんの妹じゃね?」
「だから、俺がそんな事知ってるわけないだろ?でも、本当にあの女なの?全然見た目普通じゃん」
「あぁ。ー」
俺が呼べばがこちらを見る。
確かに深司が言いたい事も分からない事はない。吾郎さんは見た目だけはすごく可愛い見た目をしている
だから、その吾郎さんの妹と言われればすごく可愛い女の子を想像してしまうけど、目の前にいる女の子はごくどこにでもいそうな女の子だ
「えっと、神尾?」
少しだけ驚いた様子でこちらを見る。手には近くのスポーツ店の袋を持っている
何か買い物でもした帰り道らしい
「こんなとこで何やってんだ?」
「いや、跡部部長って言うナルシスト部長に買出しを頼まれてさ」
「跡部って、氷帝のテニス部のかよ?!」
「あ、うん。私、一応テニス部のマネージャーだから」
つかれきった様子で言う。本当に嫌そうだな
「ねぇ、2人で話して俺に悪いとか思わないわけ?あぁ、これだから気遣いが出来ない人間って嫌なんだよな「分かったから、深司。ボヤくのはやめてくれ」」
ハァと息を吐けば、目の前にいるは少しだけ苦笑いしながら俺のほうを見てきた
俺の気持ちが分かってくれているらしい。、お前も苦労してるんだな・・・
「、こっちは伊武深司で不動峰中のテニス部」
「初めまして、私、です。氷帝のテニス部マネージャーです」
「・・・初めまして」
「おい深司、自分から言っておいてその反応はないだろう」
まぁ、深司は人見知りはげしいから仕方ないか
それに深司の様子を見る限り、に悪い印象は持っていないようだし、まぁ、普通には良い奴だから
その内、深司ともすぐに仲良くなれるだろう
「そうだ、。アドレス教えてくれよ!」
「あー、うん、まぁ、良いよ」
携帯の赤外線機能って便利だよな、って思いつつのアドレスが送られてくるのを待つ
さりげなく深司もアドレスを交換してる姿に、少しだけ驚いた
「じゃあ、私まだ仕事があるから。神尾に伊武くん、また今後会うことがあれば!!」
「お前、その言い方だと会わないことを期待してるように聞こえるぞ」
「あ、わかった?」
「うわ、そんな風に言うなんてありえないんだけど。俺らともう会いたくないわけ?それならそうとはっきり言えよな。
って言うか、そんな事言う事自体人としてどうかと思うんだけど「伊武くん、本当ごめん。だからボヤくのはやめて欲しいな。うん、マジで悪かった」」
「ほら、深司やめろよ」
「・・・なんだよ、俺が悪者かよ」
「別に会いたくないって訳じゃないんだけど、ほらテニス部って変人多いじゃん?」
「「・・・・(納得)」」
確かに、と俺と深司はの言葉に頷いた。
特に氷帝なんて個性のかたまりだし、桃城のあの様子だと青学とも知り合いなんだろう
だとしたら周りのテニス部に普通の人は極端に少ないなんて事、俺だって分かる
「それになんか無駄に美形が多くてさ、女の子ににらまれること多くって。
私としては何故にあんな人に女の子達が群がるのかが本当に意味が分からないんだけど敵は少ない方が良いじゃん?」
無性にが可哀想になって仕方がなくなった。先ほどまでボヤいていた深司も黙っている
はハァと息を吐くと先ほどまでの表情とはうって変わって笑顔をつくると俺達の方を見た。
「まぁ、神尾と伊武くんとは同じ年だし仲良くなれそうな気がするよ。じゃあ、さすがにもう戻らないと跡部部長が姑なみに煩いから!!」
そう言うと、は走って俺達の前から去っていった。あいつ、絶対苦労してるんだろうな。
「・・・・思っていた以上にって凄いかもしれない」
深司が呟いた言葉に俺も思わず、「あぁ」と言っていた。
今日、鬼太郎こと神尾にあった。そして、伊武くんという少年にも。
なんだか最近、本当にテニス部の知り合いが増えていっているような気がする。最悪だ・・・!!
まぁ、だけど今日会った二人とは仲良く出来そうな気がする。だって、見た限りでは普通の人だったし。
「あ、が帰ってきたCー!!」
氷帝のテニス部を見て、ハァとため息を吐く。もう少しここにも普通の人が多かったら良かったのに
私の願いは誰にも聞かれることなく、風にのって消えていった
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(2007・08・20)