平凡な日々
〜平凡な部活初日・小話〜
呼び名? <宍戸視点>
今は部活が終わって部室にみんな集まって、着替えも終わった俺達はそれぞれ違うことをしていた
中央の机では今日の日誌を必死で書いているが
跡部がマネージャーに部活の日誌を書かせたのはこいつが始めてだ
たぶん跡部もの仕事ぶりを認めているからだと思う
コイツは何だかんだ言いながら仕事はちゃんとやってくれているからな
「なぁ、ちゃん」
忍足がに声をかける。はあきらかに嫌そうな顔をして日誌を書く手をとめ、忍足のほうを見上げた
「なんですか、忍足先輩?」
「そんなごっつ嫌そうな顔せんでも良いやん」
「別に良いじゃないですか」
良くはないとは思うけどな
でも忍足にこんな顔をする奴は女子の中で初めて見た
実際、忍足や跡部は女子からモテるからこんな顔されることなんてないだろう
「なんで、俺のこと"忍足先輩"って呼ぶん?」
「先輩の名前って忍足じゃありませんでしたっけ?」
「いや、そうなんやけどな」
「なら問題ないじゃないですか」
はそう忍足に言うと再び日誌を書き始めた
最近思うが、は忍足の扱いがかなりひどいと思うのは俺だけじゃないと思う
多分、部活初日でに後ろから抱きついたのが問題だろう
まったく、激ダサだぜ
「いや、岳人のことは"岳人先輩"って言うやないか」
「それがどうかしたんですか?」
「俺のことは名字なのになんで、岳人は名前呼びなん?」
「だって、向日って少し噛みそうになるんですよ」
は顔を上げずに言い放った。たしかに向日って言いにくいかもしれないな
俺だって噛みそうになるし。それにこの前、跡部は実際噛んで俺らから笑われた
その後のことは口にだしたくもないけど
「ジローはどうなんだよ?」
岳人が話に加わる。というか、全員興味があるようで、の方を見ていて
若は呆れた顔でそんな奴らを見ていた
「ジロー先輩は呼んでって言われましたから。それにあんな小動物みたいな目で見られたら
断りたくても断れるわけないじゃないですか・・・」
最後の方はなんだか疲れきった様子で言いきった
はいつの間にか日誌を書き終わったのか跡部に日誌を渡していた
跡部はその日誌を見ているだけで、手を加えたりはしなかった。それだけ跡部も認める完璧な日誌を書いたんだろう
「それに"芥川"って字数多いですしね」
って、そんな理由かよ?!
「なら、俺のことも侑士って「嫌です」・・・・・」
即答・・・・!!
少し忍足に同情しそうだな。いや、忍足に同情する必要はないか
「何でや。俺だって"忍足"より"侑士"の方が字数少ないで」
「嫌なもんは嫌なんです・・・・・それにこれ以上学校内に敵を増やしたくないんですよ」
確かに、忍足はモテるからファンの奴らが黙っているとは思えないな
まぁ忍足の場合、そいつらのあしらい方は分かってるから心配はないと思うんだが・・・・
のことだから前者の理由が本当の理由なんだろう
「では、そろそろ帰ります。お疲れ様でしたー」
「あ、もう暗いし送ってバタン
忍足が最後まで言い切るまでには部室から出て行った
「俺の扱いひどすぎん?」
忍足の嘆いた一言にみんな頷かずにはいられなかった
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(2007・04・30)