平凡な日々
〜さようなら私の平凡スクールライフ・3〜
あの後、私は教室に走って教室へと戻った。
残念ながら、教室に着いたと同時に同時にチャイムがなってしまい結局お昼は食べれずじまいである
今日のお弁当も私にとっては自信作で食べるのを楽しみにしていたのに、最悪である。
そして、私は心に誓ったのだ。
絶対今度ぶっ殺す
「日吉知ってたでしょ?」
授業が始まり、先生に聞かれないように小さい声で真面目に授業を受けていた隣の日吉に話かけた
朝の態度といい、昼休みの態度といい日吉は初めから知っていたに違いない
「あぁ」
少しだけこちらに視線をうつし、ゆっくりと日吉は頷いた
やっぱり。だからあんなに哀れそうな目で私を見ていたんだ。知っていたなら教えてくれれば良かったのに
そうすれば、私は昼休みはじめから音楽室になんか向わなかった。
「なんで私がマネージャーになるって話になってるわけ?私、テスト受けた覚えないんだけど」
昨日、マネージャーのテストを受けていたのは吾郎であって私ではない。いや、吾郎が受かっても困るんだけど
まぁ、それはおいといて何故、私がマネージャーにならなければならないんだ。
お願いだから学校生活ぐらい普通におくらせてよ・・・!!!
思わず配られていたプリントをクシャッと丸めて怒りを露にする私に日吉が更なる打撃を与えた
「昨日のあの後結局テストは中止になったんだよ」
「なんで?!」
「跡部さんがお前が良いって言ったからだ」
はぁぁぁぁぁぁぁ?!
意味が分からないんですけど!!吾郎のように可愛いならまだしも、なんで私なんだよ!!
だって、私なんかどこにでもいる平凡な女で、昨日のマネージャーのテストも私が去った後続きが行なわれていると思っていた
なのに何故テストは中止になり、跡部さんとやらが私が良いなんて言っているのだろうか。
「そしたら他の部員もお前が良いって言って。で、結局お前に決まったんだ」
「いやいや、お前に決まったじゃないよ!!」
私なるとか一言も言ってないのに!!なんで?!
それにマネージャー希望の女の子たちは見ている限り全員可愛い子ばっかりだったじゃん。
可愛くもない私なんかを採用するなんておかしい。そもそも私がマネージャーのテストを受けていない事は最初から無視なのだろうか。
「アレがいけなかったんじゃないのか?」
「は、アレ・・・・?」
「お前、とび蹴りしただろ」
NOーーーーーー!!!!
「アレでみんなお前のこと気に入ったみたいだぜ?」
飛び蹴りで気に入るなんて、まったく意味が分からない。やっぱり美形は他の人と感覚が違うのだろうか
普通、とび蹴りする女なんてマネージャーにしようとは思わないはずなのに。やっぱり吾郎がからむと良いことないな・・・
いや、諦めちゃ駄目だよ、自分!!まだ手はあるはず。
「はぁ・・・・」
「お前も大変だな」
まったもってその通りですよー・・・・てか、お前助けるぐらいしろよ
家では吾郎がいるし、学校ぐらい平凡な暮らしがしたい。私のそんな小さな願いも吾郎のせいで崩れ去ってしまうなんてなんとしてでも裂けたい
テニス部のマネージャーなんて他の女子にとっては最高のお誘いなのかもしれないが私としては最悪のお誘いなのだ。
これは、もう、こんな事の原因となった奴をぶっ飛ばさないと気がすまない。よし、決めた。
帰ったら吾郎、絶対殺す
放課後
「ー!!頑張ってね、マネージャー」
まだなるとか一言も言ってないんですけど?
放課後になり私が急いで帰る準備をしているとりりんが私に向かって言ってきた。いつの間に、私がマネージャになることが決まっているのだろうか
そもそも、りりんにはあの後話す時間がなかったからこの事をまだ話していないはずなのに。本当に私の親友は何者なのだろうか(お願いだから一般人であって欲しい
「ねぇ、りりん。ケンカ売ってるでしょ?」
「まさか〜。ただ私はがマネージャーしてくれたら嬉しいだけよ」
私が言えば、なんだかりりんが本当に嬉しそうな顔をするからそれ以上は何も言えなくなってしまった
どうしてりりんがそんなに嬉しそうにするかなんて分からない。もしかして、
そんなに私の不幸が嬉しいのか・・・?
りりんならありえる
私の親友は人の不幸を面白がるような奴なのだ。そう思うと嬉しそうに笑っている顔も悪魔の微笑みの様に見えてきた
少しだけ引きつる笑いを抑えながら私は今朝見たスーパーの広告の事を思い出した。
あ、そういえば今日は玉子が安かったんだよ!!
「じゃあ、りりん。明日ね!!」
「頑張りなさいよ〜」
何を頑張れば良いだよ・・・
とりあえずりりんにはもうそれ以上何も言わず別れを告げて私は下足箱で急いで靴を履き替える。
まだ少しだけ人の多い下足箱でふと昨日の事を思い出す。
昨日はスーパーにも行けなかったから今日はたくさん買い込まないとな・・・「さん?」
ふと名前を呼ばれて振り返れば丸眼鏡をかけた美形が立っていた。私が顔を上げれば少しだけ微笑みを深くする
その姿に思わず私の背筋が凍るように冷える。普通の女の子ならかっこ良いとおもうのかもしれないけど、
なぜか私の第六感が警報を鳴らしながら、私に告げる
美形は変人だと・・・
「侑士〜。って、昨日の奴じゃん!!」
ひょっこりと丸眼鏡少年の肩から顔を出すのはおかっぱ少年だった。あまりに珍しい髪型に驚く。
こんな髪型の人がこの学校にいたなんてなぁ・・・・はて、昨日のやつ?
も、も、もしかして?!
目を見開いて二人の少年を交代で見る。昨日あの場所で見たような気がするかもしれない。
私の異常に気付いたのか気付いてないのか分からないけれど丸眼鏡少年が口を開いた
「なぁ、さん。俺らと一緒に来てくれへんか?」
やっぱりーーーーーーー!!!
この人たちテニス部なんだ。ど、どうする私?!行ったらマネージャー決定じゃないですか?!
と、いつになく一生懸命に考える。冷や汗がダラダラと流れ落ちる中、私は丸眼鏡少年を再び見た。
一緒に行くわけにはいかない。だったら・・・・
「逃げるが勝ちです!!」
思いっきり叫ぶと私は一目散に下足箱から走り出した。向こうはまだ上靴のままだから私を追いかけられないはず
外に出て後ろを見れば追って来る気配はみられないことに私は心の中でガッツポーズを決めた。
やった!!
このまま、走って学校の外に出ようと思い、走るのは止めずに後ろを振り向いていたのを前に戻す
しかし、目の前に立つ奴がそのまま逃がしてはくれなかった。そう、私の目の前にはあの泣きボクロが立っていた
「か。逃がすと思うなよ」
そんな事言われて逃げない奴はいないと思う。
それにその台詞はあきらかに悪役の台詞だろう。顔を見れば、思いっきり悪役面だったことに早く気付いて欲しい
しかし、泣きボクロは自分が悪役であることなんて気付かないまま、近くにいた少年に声をかけた。
「おい、宍戸行け!!」
「なんで俺が行かないといけないんだよ?!」
「アーン、レギュラー落ちしても良いのかよ?」
「ちっ」
舌打ちしたいのはこっちの方ですから・・・!!
私はしょうがなく正門から出るのを諦めて裏門の方に向かうことに決めた。踵を返して思いっきり走って逃げる
後ろからは宍戸さんと言われる方が追ってきているけれど、私も捕まるわけにはいかない。
どんなに宍戸さんのレギュラーがかかっていたとしても、私にも譲れないものがある(平穏な学校生活は崩させない
やっと、裏門が近付いてきたと思ったら何故か壁が2つ見えてきた。
こんなところに壁なんかなかったはずだと考えればその二つの壁が近付いているように感じられた。
・・・・って、壁じゃなくて人だし!!
「よし、長太郎。そいつを捕まえろ!!」
「はい、宍戸さん!!樺地行くよ!!」
はさまれた?!
体格の良い二人の男子が私の目の前に立ちはだろうとする。咄嗟に辺りを見渡せば、窓の開いているところが一つ見つけた
前と後ろを見れば、じりじりと三人の男子が私を挟みこもうとしているのが分かる。
このままではつかまってしまうかもしれないと思った私は窓へと近寄り、窓から学校内へと入った
「「えぇぇぇぇ?!」」
「っ?!」
窓ガラスをバタンと閉めて、私ははいていた靴を急いで脱ぐ。
そして、そのまま私は唖然とする3人を置いてその場を走り去った。
「ハァ、もう追ってこないかな」
私はあれから図書室まで来ていた。
私が図書委員ってことは誰も知らないはずだし、まさか図書室にきているとは思わないだろう
やった、私は悪魔の組織から逃げ切ったぞ!!
これでいつものどおり私は平凡スクールライフに戻れるはず
そう思うと一気に力が抜けて、安心した。さぁ、どうにかこのまま校外へとでて最初の目的である玉子をゲットしよう
私はそう決めると、再び歩き出そうと足を一歩踏み出した。しかし、それを静止するかのように私を呼び止める声が後ろから聞こえた。
「?こんなところでなにやってるの?」
「先輩!!」
なんと、今日の係りである図書委員の先輩が話しかけてきてくれた。思っても見なかった人の登場で私の心は躍る
だってこの先輩は本当に綺麗な先輩でとても優しくて私の癒しの存在だと言っても過言ではない
お願いして、少しの間かくまってもらおうかな
「実は今追われてて、かくまってもらえませんかね?」
「う〜ん、そうしてあげたいのはやまやまなんだけど・・・」
先輩が困った顔をしている。困った顔も綺麗だと惚れ惚れするぐらい、綺麗な顔をしている
しかし、ここでかくまってもらわないと私の命が危険にさらされる可能性もある
それはなんとしてでも避けたい。そう思いながら先輩の顔を見ていると、先輩が何か思いついたかのように顔をあげた
「そうだな、じゃあ手出して?」
「?」
私は言われたとおりに手を出す。すると、何故か思いっきり先輩に手をつかまれてしまった。
一体どうしたんだろうと、急なことだったので吃驚して先輩の顔を見あげる。
先輩はそんな私を無視するかのように先輩は手をつかんでない方の手で携帯を出しながら
「実は俺もテニス部なんだよね」
滝先輩はいつもの綺麗な笑顔でそう言い放った
「あ、跡部?ならつかまえたよ」
嬉しそうに電話をかける滝先輩が私には悪魔・・・・いや、魔王に見えた
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(2007・04・05)
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(2007・09・15)