応接室に入って、早何分だろう。正直、もう1時間ぐらい経ったんじゃないかってくらいの気分です。この前は、仕事があったから話さなくてもどうにかやっていけたけど、今回はそんな事も言ってられない。何か話さないととは思うけれど、話題はうかばない。国語の先生に怒られる方が良かったのかもしれない・・・うん、本当にね!!だけど、実は雲雀さんともっと仲良くなりたいと思っている自分もいるんだよね(・・・矛盾してる)













、紅茶は飲める?」









「え、あ、はい!!」












私が思わず返事をすると雲雀さんは私の向かい側に座っていたのに、立ち上がって奥の部屋へと行ってしまった。一体どうしたんだろう・・・なんて考えているとしばらく経って奥から雲雀さんがコーヒーカップを二つもってやってきた。それを机の上において再び雲雀さんは自分の席に着いた。あぁ、雲雀さんが奥に行っている間に何か話題でも考えておけば良かった・・・!!なんて思っても、多分私の頭じゃどんなに考えても雲雀さんとの話題なんて見つからなかっただろう(自分の馬鹿さに乾杯!!)目の前には雲雀さんが置いた紅茶が、ある。














「・・・・(の、飲んでよいのかな?)」









「早く飲まないと冷めるよ」













雲雀さんの言葉にこの紅茶が私のために入れられた事を知った。いや、だってまさか雲雀さんが私なんかに紅茶をいれてくれるなんて思ってたりしなかったんです。確かに二つのコーヒーカップがあったから、もしかしたら私のかなぁなんて淡い期待もしてたんですけど、雲雀さんには私に見えない何かが見えるのかもしれない・・・!!と思う事にしていたんです。だけど、どうやらこの紅茶は本当に私のものらしい。雲雀さんの入れた紅茶を飲むなんて並中生では私が初めてなんじゃないかなぁ(そう思うとすごく、嬉しいかも)




















まだ少し熱い紅茶を一口、口の中に流し込めば、紅茶の味が口いっぱいに広がった。こんな美味しい紅茶、今まで飲んだことが無いってくらいだ。さすが、応接室にある紅茶というか、最強風紀委員長が飲む紅茶であるといったところだろう。ふと、目の前の雲雀さんに目をやれば、優雅に紅茶を飲んでいた。まったくもって、私とは大違いだな(性別入れ替えた方が良くない?)雲雀さんは私の視線に気付いたのか、顔を上げて私の方を見た。うん、やっぱり性別入れ替えましょう、雲雀さん!!















「君、今ろくでもないこと考えてただろう」









(えぇぇ)いやいや、そんな事ないですよ!!あはは!!」









「ふーん」













雲雀さんは疑いぶかそうな目で私を見てくる。お願いだから、妹を疑うような真似はしないでくださいよ、お兄さん。確かにろくでもないこと考えていたけども!!だけど、本当に雲雀さんは綺麗なんですよ。こんな事、口が裂けても言えないけども。だって、言ったら咬み殺されそうな気がすごくするんです!!(多分、これは間違っていないと思う)














「(話題を変えなくては!!)ひ、雲雀さんは紅茶好きなんですか?」










「別に。好きでも嫌いでもない」













・・・・会話が続きません。まぁ、雲雀さんが笑顔で「大好きだぜ★」なんて言ったら、それはそれで気持ち悪いですが、それでも何か他に会話がつづくような言い方があると思うんですよね。いや、確かにこうやって紅茶を飲んでるんだから嫌いな事は無いと思いますよ?だけど、ねぇ?私だって、会話が続くように努力してるつもりなんですよ。だけど、相手もちゃんとそれを分かってくれないと。なんて、雲雀さんはそんなこと気にするとは思いませんけどね。















はどうなの?」









「うぇ、あ、はいぃぃ?!









(またいらない事でも考えてたか)・・・だから、はどうなのって聞いてるんだけど?」
















いきなり聞かれたて、思わず変な声がでてしまった。それを見て雲雀さんはまた「あ、こいつへんな事でも考えてたんじゃね?」みたいな視線を私にぶつけてきた。(し、失礼な!!)まさか、雲雀さんが私に聞いてくるとは思ってなかったわけで・・・















「(う、嬉しいかもしれない)はい、大好きです!!」














思わず顔が綻んでしまう。たかが、紅茶がすきかどうか聞かれただけだけど、雲雀さんが私に少しでも関心があるから聞かれたわけで、嫌いな奴が紅茶好きか嫌いかだなんて雲雀さんが聞くわけが無い。だから、雲雀さんが私に好きか嫌いかと聞いた事は私にとってすごく喜ばしい事だ。お母さん、お父さん、初日はあの最強風紀委員長である雲雀恭弥の妹なんて無理だと思っていたけど、今の私なら無理じゃないと思えるよ!!だんだんと、距離が近付いているのが実感できる。雲雀さんは私の言葉を聞くと、持っていた紅茶を置いた。顔を上げた雲雀さんの顔を私は見る。



















「それは良かった」

















今の私の顔は多分、至上まれに見るあほ面だったと思う。雲雀さんが笑った・・・・いや、確かに今までも何回か笑ったところは見たことがあるけど、これは今までにないくらいかっこ良い笑いだった。カァ、と顔に全身の血がいっているんじゃないかと思うぐらいに血が集まる。確かにかっこ良い人が笑うと、かっこ良いと思うんだけど(山本君が良い例だね!!)こんなこと初めてだ。こんな顔が赤くなるなんて、どうしたんだよ、私!!キンコーンカンコーン・・・4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた















「わ、私、教室に戻りますね!!紅茶ご馳走様でした!!」













最後は言い切る前に既に、私は応接室のドアを開けて出て行っていた。あぁ、早く顔の赤よひいてください。そうじゃなちゃ、教室に戻った時、花に何ていわれるか・・・・想像するだけでも恐ろしい!!あれ、でも顔が赤いってことは熱があるっていうことにもできるんじゃない?4時間目は保健室で寝ていた事にして。そうだ、そうしよう。私としたことが良い考えだね!!なんて、考えながら教室に戻っているうちに既に顔の赤みは引いていた。

















こんな気持ち、私知らないよ!!















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(2007・07・24)