キョウヤ≒雲雀恭弥?!
教室に帰った私を待っていたのは、ニヤニヤと恐ろしい(私にはそう感じる)笑いを浮かべる花だった。え、普通、保健室から帰ってきた友達に対する態度としては間違ってるよね?普通は、大丈夫?とか心配してくれると思っていたんだけど、なんで目の前の友達はそんな事一言も言わないでニヤニヤ笑っているんだろう。も、もしかして私が保健室で寝ていた事がそんなに嬉しかったのか・・・!!酷いや、花!!
「あんた、お弁当もってどこ行ってたのよ?」
「・・・えっ?!」
「京子が言ってたわよ。お弁当もって、どこかに行ったって。4時間目いなかったのも、それが理由なんでしょ?」
あちゃー、花にはどうやら私に彼氏が出来たと勘違いされてしまったようです。お願いだから、そんな勘違いやめてもらいたい。正しくは私は兄である、雲雀さんにお弁当を届けに行っていたわけで、そもそも私みたいなのに彼氏なんているわけがない。生まれてこの方、初恋と言った初恋なんてまだの私だし、第一、告白された事もした事もないんだ。それなのに、彼氏なんて・・・!!(いるわけないじゃん!!)
「相手は誰なのよ?もしかして吉田「なんてことは絶対に無いからね」」
私が吉田と付き合っているなんて、前にも言ったけど、そんな風に思う奴は死んでしまえば良い。まぁ、花にそんなこと言えるわけが無いのだけど。だけど、私と吉田はどちらかと言えば、恋人と言う響きよりも、友達・・・もとい、腐れ縁って言った言葉の方が良く似合うのだ。それは吉田も分かっている事だろう。
「ちゃんは、誰にお弁当を持っていってたの?」
「き、京子ちゃん」
京子ちゃんにこんな風に聞かれたら応えないわけはいかない。だけど、どうしよう。わ、私なんて答えれば良いんだ・・・!!彼氏じゃなくて、兄にお弁当を持っていたなんて言ったら、花達は多分誰に持っていったか聞いてくるとおもう。だ、だけど、私にはその人の名前はいえない。(どうしよう!!)
「え、えっと、お兄ちゃんにお弁当を届けに行ってたんだよ」
「へぇ、ってお兄さんいたんだな!!」
「あ、うん。この前できたばかりだけど・・・・って、えぇぇ!!」
気付けばそこには先ほどまでいなかった、沢田くんと獄寺くんと山本くんがいた(ワォ、いつの間に!!)まさか、聞かれているなんて思ってもしなかった私は軽くパニック状態だ。雲雀さんがお兄さんだと言う事が、花や京子ちゃんに知られるのはまだ、大丈夫なような気がする。だけど、そこまで仲のよくない人に言う事は気がひける。(沢田くんとは結構仲がよいけど)
「あはは、この前、お母さんが再婚したんだ」
「そうなんだ、さん」
「あ、うん、沢田くん。じゃあ、私はご飯でも「で、お兄さんは並中生ってことなのね?」」
「・・・・ハイ」
私が無理やり会話を終わらせてその場から逃げ出そうとしたのに、花はそれをさせてはくれず、詰め寄って来た。私はあまりの恐怖に、認めることしか出来ずにはぁとため息をついた。
「お兄さんの名前は?」
「うん、えっと(雲雀ってこの学校で一人しかいなかったよね?)」
「黒川、脅しているようにしか見えないんだけど」
「うるわいわね、沢田のくせに」
「テメー、10代目のなんてこと言うんだ!!」
「まーまー、二人とも落ち着けよ」
「花、ツナ君に失礼だよ!!」
「・・・・キョウヤです」
さすがに言い合いをされては困ると、私はボソッと呟いた。私が呟くとみんな興味津々と言った様子で、こちらを見てきた。下の名前なら大丈夫なはずだ。雲雀というのは有名だけど、キョウヤと言えば分かりにくいと思う。その証拠に目の前にいる人たちは、雲雀恭弥だと言う事に気付いていないのか、そこまで驚いた様子は見られない。良かった、私はまだ友達を失わずにすみそうです。
「はは、キョウヤって言ったらヒバリのやつもそんな名前だったよな!!」
「う、うん、そういえば、そうだったねー!!」
いきなりの山本くんの言葉に一瞬呼吸をし忘れそうになったけど、私はなんとかとっさに笑顔を作って応えた。うん、嘘はついていないもの。気付かないみんながいけないんだ。と、私は周りのひとに責任転嫁しながら、お弁当を準備した。どうやら、今日のお昼は花と京子ちゃんだけじゃなく、沢田くん、獄寺くん、山本くんと一緒に食べる事になりそうです。(逆にお友達が増えちゃった!!)
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(2007・07・28)