「何してるの?」












そう言われて、やっと私は目の前の人物が雲雀恭弥だったことを確認した。ナイスだよ、雲雀さん。あなたは私の期待を裏切らなかった、最高の兄だ!!なんて、さっきとうって変わったような気分になった(現金すぎるぞ、自分!!)とりあえず、私は本来の目的であるお弁当を雲雀さんの目の前に突き出す。いや、そんな事は出来ないからまるで献上するかのように恐る恐る雲雀さんの前にお弁当を差し出した。国語の先生に怒られちゃうなぁ・・・・まぁ、雲雀さんがお昼を食べれないより全然ましだ。











「お弁当を届けにきました」






「・・・・」










・・・無反応ですか雲雀さん?これはもしかしなくてもやばいんだろうか。(何か言ってください、雲雀さん!!)私は何かをしてしまったんじゃないかと考えるけれど、全然思いつかない。先ほどの優しい風紀委員もなにやら固まっているようだし、私はどうしたらよいんでしょう。神様、教えてください!!なんて、嘆いたところで、神様からの声は何も聞こえない。雲雀さんが私の義兄となってから、悲しい事に神様は本当に私からはなれて行ってしまったらしい。私はとりあえず、もう一度雲雀さんのほうにお弁当を差し出す。今度こそ雲雀さんはそれを受け取ると、私の目を真っ直ぐにみた(なんで、この人はこんなに綺麗なんだ・・・)












「・・・あり、がとう」








「(雲雀さんがお礼を?!)」













思わず目を見開いて、驚いてしまった。風紀委員も雲雀さんの言葉に驚いているようだし、私が驚くのも無理が無いと思う。だって、まさか、雲雀さんがお礼をいうなんて、並中生なら絶対にありえない事だと思うだろう。私だって、信じられない(あぁ、もしかしてこれは夢?)しかし、これは夢じゃないらしい。雲雀さんの手が伸びてきたと思ったら、私の頭をゆっくり優しく撫でる。その手は暖かくて、心地の良いもので、私は雲雀さんがお礼を言ったのが現実だと確信した。って、雲雀さんが私の頭を 撫 ぜ て る ? 最悪だ、もうこれ夢決定じゃん。早く起きろ私!!と思ってばれない様に手の甲を軽くつねった。い、痛い。この感覚は本物だ。じゃあ、私本当に雲雀さんに頭を撫ぜられてるの?(あ、ありえない!!)














「ところで、授業は?」















おっと、いきなり現実に戻されましたよー?!さっきチャイムがなったのは雲雀さんもちゃんと聞いたと思うんですけど、授業はとっくに始まってますよ。そう、あの恐ろしい国語の授業が。だけど、雲雀さんにお弁当を渡す事ができたなら怒られることなんて、ゴミのようなものだ。うん、本当はちょっと恐いけれど、私頑張るよ!!だけど、もう授業が始まって5分経過、刻々と過ぎて行く時間が妬ましい。
















「あ、もう始まってますね・・・あはは」









「もしかしなくても、これ僕に届ける為だけにここに来たの?」








「え、あ、はい!!もちろんです!!(だって、咬み殺されたくないもの)








「・・・遅刻までして?」








「そう、なりますかね(お、怒られる?!)















風紀委員として、生徒の遅刻は許せないんじゃないかということに、今頃になって気付いた(私の馬鹿!!)私の言葉に、雲雀さんは黙り込んでなにやら考え込んでいるらしい。私としては、数分、いや、数秒でも早く教室に返して欲しいのだけど、なにやらそんな事、口が裂けてもいえない雰囲気がかもしだされている。あぁ、お弁当を渡せばすぐに解放されると思っていたのに・・・・(京子ちゃん、心配してないかな)どうやら考え事が済んだらしい雲雀さんが口を開いた。












「じゃあ、4時間目は応接室に居れば良いよ」







「あっ、本当ですか?って、えぇぇぇぇぇ?!







「もう、どうせ授業は始まってるし」







「いや、でも」






だって教師に怒られたくはないだろう?」












確かに勉強はできないけど、私授業サボった事なんて今まで一回も無いんです、雲雀さん!!雲雀さんにとったらサボるなんて日常茶飯事なことかもしれないですが、私にとったら一大事なんです。だけど、そんな私の言葉は雲雀さんに届くことなく、応接室のドアが開けられた。あぁ、ごめんなさいお母さん、私始めてのサボり体験です。先生もごめんね、だけど実は怒られたくなかったんだ!!いや、でもサボったら遅刻以上に怒られるんじゃないの・・・?ヤバイ!!やっぱり私は授業に戻る事にします、と言おうとしたのに、













「ひ、雲雀さ「あ、それと、草壁」







「なんでしょう、委員長」








「4時間目の授業はは休むって教師に伝えといて」







「・・・・はい、分かりました」










草壁さんと言われた人は、雲雀さんに礼をするとその場から立ち去って行った。これで私が国語の先生に怒られる事はなくなったらしい。雲雀さんに感謝だ。何だかんだ言いつつ、私のことを考えてくれてるらしい。2回目の応接室は1回目とは違って、緊張も解けていた。って、あれ私重要な事忘れてない?これは、もしかしなくても雲雀さんと二人っきりって言う事になるんだろうか(ど、ど、どうしよう!!)



















授業が終わるまであと何分?!
















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(2007・07・21)