ただ今、時刻は6時ちょっと前。いつもならこの時間は、まだまだゆっくりと寝ている時間なんですけど、雲雀さんと帰った事がバレたら思うと、恐くて恐くて昨日の夜はあんまり寝られませんでした。だって、もしもバレたら私のまわりの友達もいなくなってしまうことは分りきっているんです。(悲しいけれどそれが現実なんですよ)時間が時間だし、このまま寝てしまってもこんどは寝坊で遅刻してしまうかもしれない。そうなったら確実に私は義理の兄に殺されてしまうかもしれないと思うと更に眠れない
「(・・・喉かわいた)」
喉の渇きを覚えた私は、何か飲み物を求めて台所へと向うことにした。大きな音を立てないよう、気をつけながら部屋から出て、隣の部屋のドアを見つめる。あぁ、ドアの向こうに雲雀さんが寝ているなんて、まるで考えられない。
階段をゆっくりとおりきると、なんとか無事にここまでたどりつけたことに安堵の息をついた。・・・・・なんで家でまでこんな緊張してすごさないといけないんだろう(理由は、簡単。雲雀さんが同じ家に住んでるから!!)家って安心できる場所じゃないといけないと思うんですけどね。うん、まぁ、あんな素敵なお部屋も貰って我侭は言ってられないよね!!
台所はお母さんはまだ起きてないらしく、とても静かだった。目当ての冷蔵庫をあけてコップに牛乳をついでいく。カタンッ
・・・カタンッ?
うわ、何この少し一話とかぶるような展開。(いや、あんまりかぶってないか?)こんな展開、誰も希望してないですよ。と思って、音のしたほうを振り返れば、そこにはもう既に制服を身にまとった雲雀さんが立っていた。え、もう、学校に行く時間かとおもって時計を見ても、先ほどから10分も経っていない。なのに、雲雀さんはもう学校に行くつもりらしい。こんな朝早くから学校に行っても特にする事は無いと思うんですけど。あ、でも雲雀さんは不良の頂点に立つ風紀委員だし、色々やる事があるのかな?
「おはよう」
「おは、よう、ございます」
思わずどもってしまった。(・・・・あれ、実は初めての挨拶?)雲雀さんは食器棚からコップを取り出すと、私の手から牛乳の紙パックをとってコップについでいく。つぎおわると牛乳を冷蔵庫に戻し、冷蔵庫を静かにしめた。
なんだか、雲雀さんに牛乳を飲むなんて思ってもいなかった。だって、雲雀さんは牛乳よりもコーヒーや紅茶って感じだし、並中生でも牛乳を飲む雲雀さんなんて見たことある人は絶対にいないだろう(あれ、私ってすごくない?)それとも身長を伸ばそうと頑張ってるのかな?いやいや、まさか、ね。でも雲雀さんって結構、小さいような気が・・・・
「ねぇ」
「(考えてる事バレた?!)ご、ごめんなさい。小さいなんて思ってないです!!」
「(え、ごめんなさい?)今日は一人で大丈夫そう?」
「(良かった、バレてなかった!!)え、あ、はい」
いきなり聞かれて驚いたけれど、雲雀さんが私の心配をしてくれている、みたい?うん、ますます兄妹っぽくなったと思うよ、私達。(少し感動)って、そんな事雲雀さんには絶対に言えませんけどね。だって、何勘違いしてんの?なんて言われたら悲しいし、挙句の果てに、そんな事考えてるなんて咬み殺すなんて言われたら、私、この世界にお別れを言わなくちゃならなくなるんだもの!!まだまだ、仲良し兄妹までの道のりはかなり遠いみたいだね。
「また迷子にならないでね」
意地悪な微笑をうかべながら、雲雀さんは言った。前言撤回、雲雀さんは私の心配はしていないようです。ただ、私の反応を見て面白がっているように思えます。(なんて人間なんだ!!他人の不幸を面白がるなんて人として最低です!)言っておきますけど、昨日はたまたま新しく通る道だったから、迷っただけで、今日は大丈夫・・・・だと思う。別に方向音痴なわけでもないですしね!!
「じゃあ、僕はもう行くから。も遅刻しないように来るんだよ」
「わ、分ってます!!えっと、いってらっしゃい」
「・・・・うん、行って来ます」
なんだか少し照れくさいぞ、これ!!私が言った瞬間、雲雀さんが嬉しそうに笑うもんだから更に恥ずかしくなってしまったじゃないですか(いや、もしかしたら私の勘違いかもしれないけどね)けどけど、本当に少しずつだけど兄妹っぽくなってきてるような気がするのは私だけなのかな?もしも、雲雀さんも私みたいに感じてくれてたらすっごく嬉しいのに!!実は少しだけ、兄妹って言うより新婚みたいな気がしない事もなかった様な気がしないこともないよ(あれ、結局どっちなんだよ?)
初めてのおはよう!!
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(2007・06・30)