ミルフィオーレの施設の中にある真っ白な自分の部屋に入った瞬間、涙があふれ出してとまらなくなった。とめようと思っても溢れてくる涙が、とまらない。あの時のツナと獄寺を思い出すだけで、心が痛みズキズキと疼くような気さえしていた。傷つけてしまった。裏切ってしまった。もう後戻りしたくてもできなくなってしまった。どうやってここまで戻ってきたのか記憶は無いの乏しかった。ただドアを閉めた瞬間にあふれ出した涙が、床へと落ちていくのを見送るだけ。硬くて冷たい床に落ちた涙は染みこんでいくことなく、そこに溜まっていく。水の跳ねる音。今頃彼らは何を思っているんだろうか。本当に私が裏切ったと思っているんだろうか。そう思われても良いと思っていたはずなのに、なのに、涙はとまらないのはどうして?床へと、力なく座り込めば、嗚咽までもとまらなくなってしまった。何度も嗚咽交じりに大切な仲間の名前を紡ぐ。そして、出てくる言葉はごめんなさい、と言う言葉。だけど、これでボンゴレとミルフィオーレの争いは終わったんだ。彼らが傷つくことはもうない。部下達が傷つくことも、もうないんだ。



終わった。すべて、もう終わったんだ。




(もう心配なんて一つもない。それなのに、一向に晴れないこの心はどうすれば良いんだろうか)






(2008・08・01)