先日は了平さんの存在を忘れてしまうと言う失態をしてしまったので、今日はまず了平さんの紹介からしたいと思う(ごめんね、了平さん!)了平さんは、私のクラスメイトでもある京子ちゃんのお兄さんでボンゴレ学園中等部生徒会の副会長。見た目どおりの、熱い性格でいつも「極限!」と叫んでいる。とりあえず、どこでも極限と叫べばよいと思っているんじゃないかと思う。近くにいたらたまに自分まで恥ずかしい思いをしてしまうから、彼の近くにいる時は彼が叫びさないように常に要注意しておかなければならない。いや、さすがに自分の隣で叫ばれたらこっちが恥ずかしいからね。しかしながら、やっぱり顔は良く、性格もとても良い人なので生徒からの信頼も良い。もちろん、私にも優しいので好きな先輩と言ったら好きな先輩だ。だって、会長とは違って変態じゃないんだもの!!












「いや、僕も別に変態じゃないんですけど」












「会長は変態ですよ」





「うん、六道は紛れもないただの変態だよ」





「はは、極限に変態だな!」









今、生徒会室には私と生徒会役員の3年生トリオがいる。残念(別に残念ってわけでもないけれど)ながら私と同期である2年生トリオはこの教室にはまだいない。一応この中では一番下っぱにあたる私は、先輩達に紅茶をいれて(生徒会室にはなんでもあるんだよね!)それぞれの机の上へおく。私はお盆をもったまま、会長の一言に眉をひそめた。先ほどの言葉は口に出したつもりはなかったのにどうやらいつの間にか、口に出ていたらしい。それも「会長とは違って変態じゃないんだもの!!」の部分だけ。私は、どうやら自分が思っている以上に会長の事を変態だと思っているみたいだ。いや、まぁ、確かに生徒会室で前回の雲雀さんとの抗争で取り出した槍を綺麗に拭かれていたら変態じゃないなんて否定する事はできない。













「何を言っているんですか、。僕だけじゃなくて、どこぞやの書記長もたまにトンファーを綺麗に拭いてたりするじゃないですか!!それに、どこぞやの会計はダイナマイトを整備してたりするんですよ?それに比べたら全然マシじゃないですか」







「比べる対象がおかしいですし、そのどこぞやの書記長も、会計も会長がトップを務める我が生徒会役員のことじゃないですか












「あ、もしかしてどこぞやの書記長って僕の事だったんだ?」













「(・・・気付いてなかったんですか、雲雀さん?!)」







「俺も気付かなかったが、はすごいな!」







「(いやいや、普通気がつくと思うんですけど!)」







「・・・・・・まぁ、確かに僕が会長ではありますけど、ここの生徒会個性が強すぎると前々から思ってたんですよね。もうこのさい、と僕以外解散でどうでしょう









「どうでしょう、じゃありませんよ!言わせておきますが一番個性が強いのは会長だと思いますから!!」













私が、少し声を張り上げて言えば、生徒会室は一気に静かになった。まず、私と会長以外生徒会をやめてしまったら、ただでさえたまっている仕事をどうやって片付けると言うんだろうか。自分は、あんまり仕事をしないからそんな事を言えるのかもしれないけど、毎日仕事を片付けている私としてはあんな量の仕事を私と会長だけでできるわけがない。それに、私の仕事がこれ以上増えるなんて嫌だ。まぁ、それ以上に会長とこの生徒会室で二人きりと言う方が私にとっては苦痛なのかもしれない。だって、セクハラされても誰も助けてくれる人がいなくなってしまうし、会長を止めれる人がいないのは困る。ほら、会長って言わずと知れた最近はやりの電波系って言うやつだから、たまに何言ってるのか分からなくなるんだよね。正直、それを一番理解しているのは仲が一番悪いように見える、雲雀さんなのだけどね(あの二人、地味に似ているから、どこか通じ合うものがあるんだろうか











「僕のどこが個性的だというんですか。学校中捜しても、こんなに生徒の手本になる生徒は中々いないと思いますが?」







「それ本気で言ってるなら、雲雀さんがトンファーで殴りますよ」







(えっ、僕なの?!)・・・・六道、変なこと言ってると咬み殺すよ」







「俺も今のは聞き捨てならん!!六道が生徒の手本なんて、おかしいに決まってるぞ!!」











了平さんの言葉に、私は大きく頷いた。確かに、会長が周りの生徒からは信頼され、尊敬されている事は認める。先生達にも信頼されている事も認める。しかし、それは生徒会室の外の話であって生徒会室の会長はただの変態だ。もしくは、変人といった言葉が一番似合う人間である(会長って外面だけは本当に良いんだな!)それに、
「クフフ、この学園の生徒が僕に平伏すのもあと少しですかね」なんて言う生徒が全校の手本になんてなったら、この学校は終わりだ。沢田が理事長になってしまう前にこの学校はつぶれてしまう。そ、そんな事になったら沢田に申し訳なくてたまらない!










「とりあえず、会長が変態だと言う事は事実なんでよ。さっさと認めたほうが楽になりますよ?」







「ここは警察署ですか?!これは冤罪です!!僕はやってません!」







「六道、見苦しい言い訳はやめなよ」







「男は男らしく、認めるべきだぞ!ほら、白状しろ!」













「(えぇ、これじゃあまるで僕が本当に犯人みたいじゃないですか・・・!)」












早く認めてしまえばよいのに、と私は思いながら立ったまま、会長を見つめた(いや、正しくは睨んだ)会長は未だ納得できないような顔をしながら私の方を見る。少しだけ雲雀さんのほうに視線をうつせば、会長が言い返せないことを喜んでいるかのように雲雀さんの口端は少しだけ上がっていた。どれだけ、この人会長のことが嫌いなんだろう。会長もそんな雲雀さんに気付いたのか、歯軋りをギシギシとたてながら悔しそうに雲雀さんを睨んでいた。見た目とは裏腹にあまりにも子供っぽい会長の姿。この人一体、いくつなんだと思ってしまう。












「あぁ、もう!そんなに僕が変態と言うのなら、全校生徒にアンケートで聞いてみればよいじゃないですか!」











バンッ!と手で机を叩いて、会長は立ち上がりながら大きな声でいった。本当にこの人一体いくつなんだよ。あまりにも子供っぽすぎる行動に私はハァと息を吐いた。それも全校生徒にアンケートをとるなんていう発想についていけない「ボンゴレ学園中等部生徒会、会長の六道骸が変態とは思いますか?」・・・・こんなアンケートなんてしたら会長だけでなく、私達生徒会まで変な目で見られるようになってしまうかもしれない。そんなの全力でお断りだ!!










「駄目ですよ、全校生徒だけでなく先生まで会長に騙されてますから」






「それに、全校生徒にそんなアンケート受けされる方がどうかしてるよ」






「まさに自分が変態だと言ってるようなものだな」












「・・・・・(僕ってここで一番偉いんですよね?会長ですよね?)」













私達の言葉に会長はグッと息を飲んで、立ち上がったまま何も反論することはなかった。少しだけ会長がかわいそうだと思ったけどここは自業自得ということで、同情するのは止めておこうと思う。今考えれば、ここで一番偉いのは会長である、六道会長なのだけど、この扱いは明らかに会長に対する扱いではないんじゃないだろうか(別に、気にしてはないけど)私はとりあえず、これでやっと会長が自分のことを変態だとちゃんと認めてくれたのならそれでよい。「ただ今、帰りましたー」生徒会室のドアが開かれ、私と同期である沢田と山本と獄寺が入ってきた。会長は、沢田達が生徒会室に入ってくると、顔をガッとあけて沢田に向って言う。









「ボンゴレは僕のことを変態なんて思いませんよね?!」





「あはは、会長は変態の中の変態だろ!」





「お前が変態じゃないわけがねぇ」







切羽詰ったように言う、会長にすかさず答えたのは山本と獄寺だった。そして、沢田も少しだけ考えて会長に言った。











「そうだね、変態だね」










(会長は変態と言う事で可決されました!)






















(2007・10・22)

変態って言いすぎ