私の属するボンゴレ学園中等部の生徒会はごくごく普通の生徒会だ(と言えたらどれだけ良かった事だろうか)会長をはじめとする、生徒会の人は生徒の憧れの的であり、私も実際にそうだと思っていた。この生徒会にはいるまでは。そもそも、何故普通少女である私が生徒会になったかと言うと、簡単な話、私が他の人より幾分、字が綺麗だったからだ(・・・今考えればしょうない理由だよね)そうして、私は数多くの女子の視線に耐え抜き書記次長と言う役どころをゲットしたんだけど、字が綺麗なんてこと実際生徒会役員になることに全然関係がなかった。だって、この生徒会データ管理はほとんどパソコンを使ってやっているんだよ。まぁ、それでも私は生徒会役員として今日も頑張って働いているというわけなのです(私ってなんてよい子なんだろ!)









「会長ー、この前の会議の資料まとめておきました」




「クフフ、ありがとうございます」










まず、初めにこのボンゴレ中等部生徒会をとりしきる生徒会長である六道骸会長。何とも魅惑的な外見で、多くの女子を魅了し微笑む姿とその口調は紳士的だとかなりの評価を得ている。左右で違う瞳の色で見つめられれば落ちない女子はいないとも言われ、彼独特の髪型も似合って見えるから不思議なものだ。しかし、この人の多くの謎に包まれているなんて言われている。まぁ、それもまた彼の魅力の一つらしい。謎が多い事が何の魅力になるのかは私には分からないのだけど、それでも確かに外見だけを見れば女子が彼に魅了されるのは分かる気がする(まぁ、結局は気だけ)それに会長としての仕事もこなし、先生からの人望もあつい。誰から見ても完璧に見える六道会長。だが、この人は生徒会のメンバーから見ればただの変態だ。










「では、ご褒美に僕のキスなんてどうですか」







「いりません。そんなの貰うくらいなら死にます」










このようなセクハラ発言は日常茶飯事だ。それも私に限ってこのような発言をしてくるからどうにかして欲しい。他の女子生徒と話すときは本当に紳士的でこのような変態的一面をまったく見せることもないのである。最初のうちは、さすがに私もどう対処して良いか分からなくて焦ったものだが、今ではそんな事もなく会長の発言をスルーできるぐらいまでに成長した。会長の場合は変に焦ったり、あたふたするよりも冷たく返すことが一番の対処法だ。変に焦ったりしても、それは会長を喜ばせるだけである(・・・・会長って本当に変態っぽい)












(・・・・)に死なれては困りますからね。では、これをあげましょう」







「ありがとうございます」












差し出されたのは何の変哲もない、イチゴの飴玉。会長がこんなメルヘンチックなものを持っていたことに少しだけ驚きながらも、好意に甘えて私はそれを受け取った。私は自分の手の上にある六道会長から貰った飴玉を見る(これを売ったらいくらになるだろうか・・・・絶対高く売れることは間違いないだろう)そう思うと、何だか少しこの飴玉を食べることに戸惑いをうけた。私はどれだけ守銭奴なんだ。流石に六道会長を売るわけにもいかないし、後で食べようと思いながら飴玉をポケットに入れようとした瞬間に、飴玉は私の手の中からいなくなっていた。苺の飴玉は私の手を離れて、私より大きくて綺麗な手の中へと移った。そして、それと同時に後ろから声が聞こえてきた。声のした方を見れば、私の上司(・・・・この言い方は可笑しいと思うけれど、この言い方が一番しっくり来る)である雲雀恭弥書記長がいらっしゃった。










、六道から簡単にものを貰ったらいけないよ。何が入ってるか分からないからね」






「ひ、雲雀さん(確かに、と納得してしまう自分がいる)」





「何言ってるんですか!!何も入っているわけがないでしょう!」





「フンっ、それはどうだか」








「・・・っ!!(この男は!)」











雲雀さんと六道会長はいわば、宿敵のようなものらしい(山本が笑いながら教えてくれた)雲雀さんは、このボンゴレ中等部生徒会の書記長であり、書記次長をつとめる私の上司でもある。これまた漆黒のさらさらの髪に、漆黒の瞳で多くの女子生徒を魅了し、この人も六道会長ぐらい謎に包まれている人だ。人と群れる事を嫌い、裏では先生達を脅しているという噂もある(いや、噂ではなく実際そうなのだけどね)私としては良い上司でもあるが、実際は結構我侭な人なので相手にするのも億劫な時がある。口癖は「咬み殺す」ではあるけど、私はまだ咬み殺された経験は無い。これからもどうか咬み殺されることがないことを心から祈っている。












「ちっ、またあいつら始めやがったか」






「よ、。お疲れさん」











丁度良いところに生徒会室へと戻ってきたこの2人は、会計である獄寺隼人と山本武。この2人の間にはどちらが長とか次長とか、そんなモノは存在しない(何故か喧嘩になるから)獄寺隼人はイタリアからの帰国子女と言うもので頭も良く、顔も良い。ただ一つ欠点を上げるとすれば、沢田馬鹿というところだ。本人は良く山本に「この野球馬鹿が!」なんて言っているが、本人は本人で沢田馬鹿なんだと言う事にまだ気付いていない。本人は沢田の為にと思ってやっているのかもしれないが、その殆どが沢田を困らせていることを誰か早く教えてやって欲しい。このままじゃ沢田が可哀想だ。そして、もう一人の会計である山本武。頭は悪いが運動は出来る、とても爽やかな少年だ。人懐っこい笑顔をうかべ、その笑顔に魅了される女の子は今でも後をたたない。ただ、天然なので私としては時たま相手をする事に苦労することがある。(・・・・いや、時たまって言うか頻繁に?)












「クフフ、丁度良い。今ここであの時の決着をつけるとしましょうか」





「グチャグチャに咬み殺してやる」





「えっ!(あの時の決着って一体何ー?!)」





「お前ら、ここがどこか分かってんのか?!」





「えぇ、僕の生徒会室です」





「何言ってるの?いつここが君のものになったって言うのさ」











雲雀さん、言ってる事は間違っていないんですか、そう思うのならどうかそのトンファーをしまってください。って言うか、六道会長もそんあ大きい槍どこから取り出したんですか。もう、本当あんた達ここがどこか分かってるんですか?!なんて思いつつ、私と獄寺と山本は何も出来ずに(手を出したら、巻き込まれてしまう!)ただただ2人の様子を見た。やっぱりここの人たちは私にとっては濃ゆすぎる人たちばかりだ。巷では、美形で女子を魅了し、男子からも信頼されているこの人たちも本当はただの馬鹿であることには間違いが無いのである。私はとりあえず、この状況をどうにか打破しなければならないと思うが、私はこの人たちは違い、少しだけ字の綺麗な普通の一般の女子生徒であるからそんな事できるはずもない。











「ちょっと、雲雀さんも会長も何やってるんですか?!」











バンッといきなり開いたドアを見れば、この生徒会の中で一番まともで、私の癒しでもあり、獄寺に異様に慕われている沢田綱吉が立っていた。沢田はこの生徒会の副会長でもあり、この学園の10代目の理事長にいずれはなる男で、やっぱり美形の類に入るような人間だ。(要するに私以外の役員は全員かっこよい顔をしている)流石に六道会長も雲雀さんも次期、理事長になる沢田には逆らえないのか武器を直して、生徒会室にある自分の席へとついた。私はそれを見て、ハァと息を吐く。このまま沢田が来ないままだったらまたこの生徒会室は破壊されていたことだろう(まただよ、また!!)



















とりあえず、生徒会室ではこんなボンゴレ生徒会の役員はだけど生徒会室から一歩外に出れば、生徒からは尊敬の眼差しで見られることとなる。もしかしたら、そんな風に生徒の模範とならなければならないと思うからこそ、この生徒会室ではそんな生徒の憧れであらなければならないと言う意識を捨て、みな自由に自分をさらけ出しているのかと思った。
「クフフ、この学園の生徒が僕に平伏すのもあと少しですかね」・・・・どうやら、そんな事は無いらしい。この人たちは自分らしく、学園生活および生徒会活動を心から楽しんでいるのだ。それも真っ黒な楽しみ方で。やっぱり私がこの生徒会にいる意味が分からない。今度、誰かに聞いてみようかな。








「あ、了平さんの存在忘れてた」















(2007・10・08)

やっちゃった話。続くかどうかは私自身も分かりません。いえることは唯一つ。書くのがすごく楽しかったです。