貴方のことを考えると夜も寝られないんです
寝不足解消法
お弁当を食べ終わり、私は裏庭まで来ていた
春の午後の心地よい風の中を良い昼寝場所がないかと探すけどなかなか見つからない
「う〜ん、もう食べれないC〜」
ふと聞きなれた声が聞こえてきたと足を止めれば草の間から見慣れた金髪が見えた
その金髪に近付くと私がマネージャーを務めるテニス部のジローが幸せそうに眠りについていた
さすがにこのまま寝かせておくのは跡部に怒られてしまう。この前現に怒られたし、
「おーい、ジロー?こんなとこで寝てたらファンの子に食べられちゃうよ?」
しゃがみこんで起こそうと声をかけるも、まったくもって起きる気配なし
いや、一瞬嫌そうな顔をしたけどね
でもすぐなおって今は気持ちよさそうに寝ている
なんだかこんなに気持ちよさそうに寝ているジローを見ているとムカついてきた
「まったく、私はあんたのせいで眠れないって言うのに・・・」
私の声が風にのって消えていった
私は最近夜あまり眠れていない。寝たとしてもすぐ目が覚めてしまうこともしばしばあって
目の下のくまが日に日に酷くなっている様な気もする
それもこれも私がジローのことを好きになってしまったのに原因があって
寝ているジローを見てムカつくなんて自分でも間違っていると分かっている
それでもこんなジローを見ていると自分だけが空回りしているみたいに思えて嫌になる
ジローのことが好きだから夜眠れないなんて言ったらジローはどんな反応をするだろう
ジローのことだから優しく断ってくれると思う
でも私はテニス部のマネージャーだから、その後どんな風に接すれば良いか分からない
そう思うと告白なんて出来ないし
あぁ、眠れる夜はいつ訪れるのだろうか
「、なんで眠れないの?」
「ジ、ジロー・・・」
いつの間にかジローが体を少し起こしてこちらを見ていた
「俺のせいでは眠れないの?」
「い、いや」
ジローが上目遣いになりながら見てくる
そんな風に聞かれても私は答えることは出来ない
「気持ちよさそうに寝ているジローに嫉妬しただけだよ」
この言葉に嘘はない
そう言って私は立ち上がろうとした
しかし、ジローが私の腕をつかんでそれをさせてはくれない
「ジロー・・・もうすぐ5時間目始まるよ?また跡部に怒られるよ?」
腕をつかむ力はあいかわらず緩まない
むしろ少し強くなったような気がする
「寝れないなら今日は特別に膝枕してあげる!!」
「はっ・・・?」
多分今私はかなりのアホ面だと思う
でも誰だって好きな子からこんなこと言われたら驚くよね
「もうジロー冗談は・・・って!!」
ジローがつかんでいた腕を自分の方に引っぱって私の体は自然とジローの方へと傾いた
真っ赤になる私に対してジローはにこやかに笑っている
「ちょ、ちょ、なにすんの・・・!」
こっちはすっごく恥ずかしいですよ、ジローさん!!
「あはは〜、真っ赤になって可愛Eー!!」
とりあえず頑張って抵抗してみたもののジローの力に敵わず私は抵抗するのを諦めた
ジローを見れば満足そうに私を見ている
あれ、なんだか眠たくなってきたかも
少しずつ重たくなっていく瞼に私はしたがって目を閉じた
「ジロー・・・」
「何ー?」
「ありが、とね」
ジローが私の頭を軽く撫でた
こんなに気持ちよく眠れるのはいつぶりだろう
「こんなことにしかしないからね?」
消えゆく意識の中でジローの声が聞こえたような気がした
目が覚めて辺りを見渡せばもう夕焼けに染まっていた
時間を確かめれば既に部活が初まっている時間
「ジロー、起きて!!跡部に殺されちゃうよ!!」
ジローもいつの間にか寝ていたらしく私は頑張って起こした。だって命がかかってるし・・・・
「う〜、大丈夫だC〜」
「いや、ジローは大丈夫かもしれないけど私は殺されるから!!」
跡部はなんだかんだいってジローに甘いからね
でも私の場合は確実に殺されるんだよ!!
私が青い顔で座り込んでいるとジローが急に立ち上がった
「ほら、。行こう!!」
そういって手が差し出される
差し出された手に自分の手を重ねればジローが引っぱって私を起こした
私たちはそのまま教室に鞄をとりに行くのも忘れ部室に急いだ
――――――――――――――
あとがき〜本編その後〜
あの後走ってきたけど跡部に怒られてる、特にが
隣でがすごい勢いで謝ってる・・・・
うーん、このままじゃがかわいそうだC〜
「跡部ー」
「アーン?」
跡部にしか聞こえないような声で呟く
「を叩いたりしたらぶっ殺すからね?」
なんてったっては俺のなんだから
「・・・・お前らさっさと着替えて来い」
跡部が青ざめながら言った
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(2007・04・01)