私のクラスにはこの学校の不良の頂点に立つといわれる六道くんのグループがいます。まぁ、不良とは言っても女子には優しいらしいからクラスの女子、およびこの学校の女子はほとんど六道くんにゾッコン・ラブ★(自分で言ったのは何だけど古いね)私としても、かっこよい人を見るのは目の保養になるから遠くでみるのにはどうでもよいんだけどね!!
「で、そんな遠くで見る限りは眼の保養となってくれて良いんだけどいざ近くに寄られると周りの女子から睨まれて、まじ話しかけるのは勘弁してよな六道くんが私に何の御用でしょうか?」
「あまりに正直な言葉は少し慎むべきだとは思いますが」
「すいません、私あまりにも根が素直なもので」
さて、ただ今の時間はみんなも息をぬく昼休み。きつい授業からの解放感やら、まぁ、その他色々な感情がとびかうクラスで、いきなり六道くんが話しかけてきました。ちなみに六道くんの席は私の隣の隣の、前の前のそのまた隣の・・・って、説明するのも面倒くさいわ!!とりあえず、そこまで席は近くない六道くんがわざわざ私の席まで来て、にっこりと微笑んでいるんですよね。あぁ、まったく遠くで見ているときは、素敵な笑顔かなって思ってたりもしたけど、近くで見ると胡散臭い事この上ないね!!
「ちょっと、最後の方、口にでちゃってるんですが」
「あぁ、心配しないで下さい。周りの女子に聞かれなければ、全然問題ありませんから」
「クフフ、僕と貴方の秘密という事ですか」
「あはは、そういえば六道くんは帰国子女でしたね。じゃあ、知らないかもしれませんが日本には寝言は寝て言えっていうことわざがあるんですよ?」
「ちょっと、、そんなことわざないでしょ」
「りりんは黙ってて」
私は目の前の未だ笑顔を絶やさない男を見た。いい加減、早くここから去ってってくれないだろうか。もう嫌だ、何この人。そんなに私をこのクラスのいじめの標的にでもしたいんですか?女子って意外と恐いんですよ。好きな人の前じゃ可愛く見せようと頑張ってますが、その裏は恐いんですよ?
「へぇ、そうだったんですか。初めて知りました」
「あのすいません、今回は口に出していないんですけど」
「心と心が通じ合っていれば、口に出さなくても通じるものですよ」
「私、六道くんと心が通じた覚えはまったくもってないんですけどね」
「おやおや、そんな事言って・・・」
「えっ、なんでそこで顔を赤らめるんですか?いや、本当あんた私をこのクラスで孤立させていんだろ?!そうなんだろう?!」
「まさかそんな事ありませんよ。それに孤立したとしても僕がいますから安心してください」
「なんで、今までろくに話したことない奴にそんな事言われないといけないのかが本当に意味分からないんですけど。それに、その発言のせいでまた私がこのクラスの女子から睨まれたって知ってます?あ、もしかしてわざとですか?わざとですよね?ちくしょー!!」
「あぁ、大丈夫ですか?」
「大丈夫、むしろ六道くんが私の相手なんかしないであそこで睨んでくる女の子の相手してくれたらもっと大丈夫になるんだけど」
「僕はあんな女子は認めてませんから」
「あ、それには同感だね。女子って言うより地球上の生物として大丈夫かなとは思うよね」
「やっぱり僕と君は一心同「ここにもいたよ、地上外生命体」」
「クフフ、君は本当に面白い人ですね」
「今の冗談じゃないから、本気だから。むしろ真剣って書いてマジの方だから」
「おやおや」
そういうと、六道くんは少しだけ考え込むような動作をした。確かに目の保養にはなるんだけどね、この顔は!!(ムカつくくらい綺麗な顔だからね)そんな六道くんが私に一体なんのようなんでしょうかね。用があるならあるで早く済ましていただけると私も嬉しいんですけど、いや、むしろ初めから話しかけることをやめて頂けると嬉しいんですけどね。
「で、そろそろ本当に何のようなんですか。六道くん?」
「あ、はい。実はさんにお願いがありまして・・・」
「(・・・お願い?)何ですか、それって私じゃないと駄目なんですか?あそこで飢えた目で六道くんを見ている人でも良いと思うんですけど」
「いいえ、貴方じゃないと駄目なんです」
少しだけ、胸が熱くなる。誰だってこんな美形に真っ直ぐと目を見られながら言われればそんな気持ちになると思うんだけどね。少しだけ、首をかしげながら六道くんを見れば六道くんはにっこりと笑った(かっこ良いな・・・)周りの女子もそう思ったのか感嘆のため息が周りからこぼれた。
「僕と――――キンコーンカンコーン
六道くんの言いたい事が分からぬ間に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。あれ、すごく気になるんですけど?
「おやおや、授業が始まってしまいましたね」
六道くんが時計を見て呟く。それと同時に先生がドアを開けて入ってきた。周りのことたちも先生が入ってきた事を確かめて、席についていく。しかし、何故か目の前で胡散臭い笑顔をうかべている。確かに六道くんの言葉の続きも気になるといったら気になるけれど、それよりも今は早く席に着いてほしい。
「ほらー、みんな席つ「先生」
先生の叫ぶ声を六道くんが遮る。しかし、先生は未だ座ろうとしない六道くんを怒る事もしない。それどころか、少しだけ怯えたような顔に見えないこともない。おいおい、六道くんは何をしたんだよと考えて先生から六道くんのほうに視線をうつせば、六道くんと視線が合う。
「さんが気分が悪いようなので屋上にいってきますね」
「「「「(堂々とサボり宣言・・・?!)」」」」
気分が悪いといったら保健室だろう。って、その前に私別に気分悪くないんですけどね、あれ?とか思っていると六道くんが私の手を掴み教室から出て行く。助けを求めて先生の方に視線をうつしても、先生は既に授業への準備を始めていた。友達だって一緒だ。私は見捨てられたと心の中で泣きつつ、なんでこんな目にあっているんだと深く考えていた。
「クフフ、愛の逃避行ですね」
「すいません、私と六道くんとの間にいつ愛が芽生えたのか教えてもらえます?先に言っておきますけど、何秒かまでしっかり答えてくださいね」
「それにしても良い天気ですね」
「(答える気まってくもってなし!!)」
六道くんに引きずられる様に連れてこられた屋上は授業中のためなのか、誰一人いなかった。気持ちの良い風が吹き付けてくる中、私はため息をしつつ六道くんのほうを見る。
「あぁ、そう言えばここに来て頂いたのは先ほどの続きを言おうと思いまして」
「続きを言うのに何でわざわざ屋上に来ないといけないんですか」
「そうですね・・・やはり告白といったら屋上がお決まりだと先日読んだ本で書いていましたから」
「一体、何の本ですか、何の!!」
「それは秘密ですよ」
クフフと六道くんがお得意のいつもの笑い方で微笑む。告白をするのが屋上って決まりなんて何の本を読んだんだよ、この男は・・・あ、もしかして少女マンガだったりしないよね?いやいや、でも少女漫画くらいだと思うんだよね、そんな事書く本って言ったら。もしかして六道くんってそんな趣味があったの?と、思いつつ怪訝そうに目の前の男を見れば、先ほどよりも幾分真面目な顔でこちらを見ていた。
「それで何の告白ですか?実は僕は変態ですとか言う告白だったら、もう知ってますからね別に告白することじゃないですよ」
「そんな告白しませんし、それ以前に僕は変態じゃないですから」
「じゃあ、何の告白ですか?今まで話したこともないようなクラスメイトにする告白って一体なんですか?」
「愛の告白に決まってるじゃないですか」
微笑を崩さずにさも当たり前かの様に目の前にいる男は言い切った。愛の告白・・・まさか、そんな事があるわけないよね。だって今までろくに話したこともないのに。それに一目惚れされるほど私可愛い顔してないしな(自分で言っててちょっと泣きそうだね!!)
「僕は顔で決めたりする男じゃありませんから」
「あ、うん。すっごく良い事言ってるんだけど、さりげなく私の心に傷つけちゃってるからね?」
「クフフ、冗談ですよ。冗談」
「あぁ、今までのこと全てが?」
「愛の告白は本当です。好きです、さん」
「・・・・」
急に真面目の顔をされると困る。こんなかっこ良い人にそんな事言われるとさすがの私だってときめいたりしちゃうんですよね。
「なんで、私なんですか。話したこともないのに」
「話したことはありませんでしたが、僕はずっと見てきてましたよ」
顔がカァと赤くなる。告白なんか初めてされて、それもその相手が学校一かっこ良いで評判な六道くんなんて絶対にありえないことでしょう。心臓のドキドキも止まらない。
「し、」
「し?」
「失礼しましたー!!」
私はそのまま屋上のドアを開けて、走り出していた。恥ずかしすぎて、まともに六道くんの顔さえ見れなくなって、その場にいてもいられなくなっていた。うん、だけど、後ろから追いかけてくるような音が聞こえてくるんだよね。後ろを振り返れば、素敵スマイルを浮かべた六道くんが軽やかに追いかけてきていた(正直恐いです!!)
「私を捕まえてごらんって奴ですね」
「違います、違いますから追いかけてこないで下さい!!」
「クフフ、それでは遠慮なくいきますよ」
「話を聞けぇぇぇ!!」
その後、結局捕まった私は心も六道くんにつかまってしまったみたいです。あれ、そういえば忘れてたけど、今授業中じゃないですか・・・・心配しなくても大丈夫ですよ、授業なんて僕らにとったら何の障害にもなりませ「すいません、私のときめきを倍にして返してください」
愛の逃避行は
お静かに
「、愛の逃避行って女の子の憧れじゃないんですか?!」
「六道くん、本当に何の本を読んでそんな知識を仕入れてくるんですか!!」
少しだけ現実からも逃げたくなった今日この頃です。
→高藤由花サマリクエストの骸ギャグ&ちょっとだけ、恋愛要素・・・やってしまった。ギャグがギャグじゃないですよね。まことに申し訳ない気持ちで一杯一杯です。せっかく相互様からリクエストして頂いたのに、本当に申し訳ありません!!(土下座)こんな駄文になってしまいましたが一生懸命に書きましたので許してやってください。苦情はいつもどおり拍手からどうぞ(できれば送らないで頂けると嬉しいです★)
(2007・08・17)
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