先に言っておくけど別に僕は幼女趣味と言うわけではない。だって、並盛で恐れられ不良の頂点に立つ、この僕がロリコンだなんてありえるわけがない。だから、そんな目で見るな!
年 下 の 君
特にこれと言った用事はなかったが僕は並盛を自由気ままに散歩していた。たまに、馬鹿な奴らが僕に群れをなして襲い掛かってきたけれど、すぐに咬み殺してやった。まったくもって、弱い奴らに限って群れたがるから僕としては不愉快だ。そんな不愉快な気分のまま、僕はある公園に足を踏み入れた。ここでも弱い奴らが群れている。とは言っても子供だったので僕はさほど気にしてもいなかった。たかが餓鬼を咬み殺すなんて僕の美的センスに反する。しかし、聞こえてくる声に耳を傾ければどうやらイジメをしているらしい(中央に一人だけ赤いランドセルが見えた)
「お前、調子にのりすぎなんだよ!」
「あんま甘く見てると痛い目にあわせるぞ!!」
子供ながらに言うことは、酷い。って言うか、調子にのってるのは君達の方じゃないの?まぁ、僕としてはどうでも良いけど。草食動物が草食動物をいじめてる現場なんて僕としては興味がわかない。なのに、欠伸を一つしながら僕の視線はその子供たちのところでとまっている。黒いランドセルの中にある赤い一つのランドセルはまるで血の赤のようだと思ったのは、さっきまで僕が血にまみれていたからだろうか。
「うるさいなぁ、一人じゃ何もできないあんた達にそんな事言われる筋合いはない」
「な、なんだと?!」
「だから、うるさいって言ってるんです、こ の 豚 野 郎」
その台詞に僕は驚くと共に、思わずふきだしてしまった。いや、だって本当にあの子の言うとおりに一番威張ってそうな奴は見たまんま、豚野郎だったんだよ?これは、もう笑うしかないだろう。それに、その男の方が顔を真っ赤にするもんだから、僕はさらに笑ってしまいそうになった(こんなに笑ったのは久しぶりかもしれない)男とは言っても子供だ。特に気にせず続きを少しだけ楽しみに見ていると、豚野郎が女の子に向って手を振りかざす。別に僕は女の子が傷つこうと気にしないから、その様子をただ見ているだけだった。
バキ!!
・・・・バキッ?豚野郎は手をひらいて振り上げていたのに、この効果音はおかしいだろう。普通、バシンとかバシッじゃないの?こんな良い音、トンファーで殴った時もなかなかでないよと思いながら見ていれば、殴られたのは女のこの方じゃなく豚だった(野郎をつけるのもわずらわしい)豚は殴られたと見られる頬を押さえながら、女の子の方をありえないって顔で見ていた。あぁ、またあの豚、面白い顔をしているね。僕をどれだけ笑わせたら気がすむんだろうね、あの豚は!
「あんまり調子にのってると殴るぞ」
も う 殴 っ て る じ ゃ な い か ! !と思わず言いかけたその言葉を飲み込み、僕はその小さな草食動物に少しだけ近付いた。豚は仲間を連れて捨て台詞を吐きながら、走って逃げている。さすが小学生なのか最後の台詞が「先生に言ってやるー!」には驚いた。教師に言ったって何も期待できないことなんて分かりきっているのに。それにあきらかにお前の方が悪いだろ。本当に馬鹿だ、あの豚は。
女の子はその豚のほうをみながら、うっすらを笑いをうかべていた。本当にこの子、小学生なんだろうか。小学生の女の子にしては強いし、度胸もある。普通のおんなのこだったら、あんな豚を目の前にしたら泣き出しそうなのに(色んな意味で。あの豚の顔は見るだけで凶器だ)なんだか、少しだけ興味がわいたかもしれない。僕はうっすら笑みを深め、その女の子に話しかけた。
「ねぇ、君」
こちらを振り向いた女の子。いたって普通の顔だ。どこにでもいそうな女の子。だけど、一つだけ他の子供や草食動物と違うところがある。この好戦的な瞳。その瞳に僕はさらに興味がわいた。先に言っておくけど、僕は別に幼女趣味なわけじゃない。それに僕が惹かれたのはこの女の子なわけではなく、この瞳だ。しかしながら、こんな瞳をここ最近どこかで見たことがあるような気がした。さて、誰だっただろうか。
「なんですか?」
子供にしてはちゃんと敬語を話せているところに僕は少しだけ満足した。最近の子供は敬語を話せないなんて思っていたのは間違いだったのかもしれない。それと僕の場合は敬語を話せないんじゃなくて、敬語で話す必要がないから敬語を使わないだけだ。って、今そんな話、関係なかったじゃないか!
「君、強いんだね」
「まぁ、家で色々あるんで」
「さっきの、豚達は何で君を囲んでたの?」
「(・・・豚って聞いてたのかよ)あの豚が弱い者いじめをしてたので、ムカついて先生に告げ口したらバレて呼び出されたんです」
「先生に告げ口?」
なんだ、この子もあの豚となんら変わりがないじゃないか。せっかく面白い子を見つけたと思ったのに、僕の思いすごしだったらしい。なんだ。もう少し期待できる子だったら、並中の風紀委員に入れてあげようとも思っていたのに。
「だって、わざわざ私の手をわずらわせるのも馬鹿みたいじゃないですか」
「・・・え?」
「そもそも弱い奴ほどあんな風に群れて本当にムカつくんですよね。まったく小学校5年にもなってあのクソ豚・・・!!」
・・・クソ豚ってさっきより酷くなってるじゃないか。って、ツッコムのはそこじゃないだろ?!やっぱりこの子は僕の期待通りの子だったらしい。まったくもって、面白い。強くて、群れが嫌い。まるで僕を見ているような気分だ(自分で言うのは何だけど僕は強い)
「ねぇ、君「!!」」
「あ、ツナ兄」
思っても見なかった声の登場に僕は少しだけ驚いた。なんで、こんなところにあの草食動物がいるんだよ。せっかく面白い子を見つけたと言うのに。・・・って、今、この子「ツナ兄」って言わなかった?いやいや、まさかこの子の兄があんな草食動物なんてありえないだろう。うん、ありえない。僕はそう言い聞かせながら、こちらを見て固まっている草食動物をひと睨みする。それだけで草食動物は「ひぃぃぃ」と言う。
「ツナ兄、大丈夫?!」
そう言うと、今まで僕の目の前にいた女の子は草食動物のほうに駆け寄っていった。もしかして、この様子だと、先ほど僕が一瞬考えていた事があたっているかもしれない。まさか、あの草食動物とこの子が兄妹だなんて・・・!!確かに先ほどの女の子の好戦的な目と、あの草食動物の目は似ている。だけど、マジかよ!!(マジとか普段の僕なら使わないのに)
「君達もしかして兄妹なの」
「ヒ、ヒバリさん!!」
「そうですけど、何か?」
「!!す、すみません、俺の妹が!」
そう言って頭を下げる沢田綱吉。あぁ、本当に兄妹だったらしい。兄妹なのにこの違いってありえないだろう。だけど、僕がこの子を気に入ったのも確かなんだよね。沢田綱吉は未だ、僕に向って頭を下げているし、と呼ばれた妹の方は僕の方を睨んでいるようにも見える(ワオ、この僕に喧嘩をうっているのかい?)
「君が並中に来るのを楽しみにしてるよ」
僕はその一言だけ言い残して、踵を返して再び公園から出て行った。これが、との始めての出会い。もう一度、僕の名誉の為に言っておくけど僕はロリコンなんかじゃないからね?
学ランの人が公園から出て行くのを見届けると、ツナ兄が顔を上げた。未だ、怯えているような顔をしているが、この人は本当に私の兄なんだろうか。
「、大丈夫だった?!」
「うん、まぁ、大丈夫だったけど、今の人ツナ兄の知り合い?」
「今の人があのヒバリさんだよ・・・」
ツナ兄の目は何だか死んでいた。ヒバリ、ヒバリと思い出してみれば、確か以前ツナ兄から聞いたことがある。並盛最強の不良でもあり並中の風紀委員長でもある男。獄寺さんや山本さんもかなわなかったみたいなことを聞いたような気がする。わー、私ってそんな人と話してたんだ。それも、並中に行くのを楽しみにされちゃったよ★・・・・★じゃねぇよ、私!!いや、でもあの人何歳だよ。今、ツナ兄は中2だから・・・
「ツナ兄、あの人何年?」
「さぁ、いつでも自分の好きな学年らしいから。だけど、俺が入学する時にはいたよ」
「・・・・(好きな学年ってありかよ!!)」
中学校で義務教育だから留年ってことはないと思うんだけどな。それにツナ兄と同い年か年上なら私が入学する時はいないと思うんだけど。まぁ、見た感じ常識が通用するような人には見えなかったけどね!!
「私、黒曜中に行こうかな」
「・・・・いや、そこには変態がいるからやめておいたほうが良いよ、」
沢田綱吉の嘆きが風にのって消えた。
年 上 の 貴 方
数年後のお話
私が中学校に入学する時にヒバリさんは高校の方の風紀委員長をしていらっしゃいました。よかった、留年してなくてと思いましたよ。いや、マジで。今は、ツナ兄のファミリーとして共に戦う仲間だったりします。ヒバリさんがロリコン・・・?あぁ、たまに少しだけそう思います。それに、他の人たちもそう思っていることでしょう。っていうか、獄寺さんにいたっては直接本人に言いましたけどね。その後の事は放送コードに引っかかるのでいえませんけど。まぁ、だけど、私はヒバリさんよりよっぽど骸さんの方が変態だと思いますからヒバリさん安心してくださいね。
→凛サマリクエストの主人公10歳ぐらいでギャグ・・・本当に申し訳ありません!!今までで一番、グダグダになってしまいました(土下座)私が書くと主人公が可愛くかけないんです!!そして、ツナの妹設定は途中でくっつけてしまいました。ごめんなさい、ごめんなさい。謝るのでゆるしてやってください。
(2007・09・13)
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