私、、現在並盛中2年です。所属している委員会はあの泣く子も黙る風紀委員であります。その証拠に私の腕にはしっかりと風紀と書かれた腕章が付けられています。さすがに、学ランをきるわけにはいかないので普通のみんなと同じ制服を着用です。あの風紀委員の中、か弱い女子私一人で日夜頑張って風紀委員長にこきつかわれています(草壁さん、そんな目で見ないで下さい!!私は本当にか弱いんですよ!)
「委員長!!」
「何、?」
応接室のドアをノックもせずにあければ、そこには優雅に紅茶を飲む、我らが委員長の姿があった。風紀委員になった初めの頃はノックをせずに入ると、煩く言われていたけれど(それはまるで姑の様に)最近では何度いっても無駄と分かってもらえたのかノックをしなくても怒られなくなってきた。まってくもって、この人は私が汗水たらして外で風紀の仕事をしているというときになんでこんなにのん気に紅茶を飲んでいたれるんだろうか。まったくもって、腹立たしいほどにもほどがある。しかし、今はそんな事も言ってられないのでとりあえず、私は委員長への近くへと詰め寄った。
「私、女子の風紀委員が新しく入るなんて聞いてません!!」
わ、私と言うものがありながら酷いです委員長。確かに役に立たない私かもしれませんが、こんな私なりに風紀委員としてがんばっていたんです。雨の日も、曇りの日も、晴れの日も確かにたまにサボったりする日もあるんですけど、私は自分の身をささげてきたと言っても過言ではないほどこの風紀委員に尽くしてきたつもりなのです。そりゃ、委員長の嫌味にムカつく事もあったけど、それども草壁さんや他の委員に励まされて最近ではちゃんと任された仕事は完璧に終わらせる事ができてたんですよ?!それなのに、私を捨てて他の女にはしるなんてあんまりです!!
私は息も絶え絶えに委員長に言いたかった事を言い切った。正直、途中噛みそうになったけどなんとか噛まずに言い終えた。しかし、目の前の委員長は私がこんなに一生懸命に訴えているにも関わらず興味のなさそうに紅茶を手にとって、飲んでいた(この人、鬼だ!!)
「ふ〜ん。、サボった事あるんだ?」
「(やっべぇぇぇ!!)」
咄嗟に口にした言葉の中に、NGワードが入っていてたらしい。やっぱり人間、思ったことをそのまま口にする事は駄目らしい。って言うか、注目するのはそこじゃないですよ委員長!!私が聞いてほしいのは何で、私がいるのに他の女子を風紀委員にいれるかであって、別に私のサボりについて聞いてほしかったわけじゃないんですけど。あれー、委員長にとっては風紀委員に入ってくるのはどうってことないんですか?私にとっては重要問題なのになー。あはは、本当この人人間かよー。と少しだけ現実逃避しつつ考えてると、なんだか悲しくなって目の前の光景がぼやけて見えた。私の目の前にはぼやけてうつる委員長の驚いた顔・・・・え、驚いた顔?(いやいや、そんなわけないよ)
「・・・・なんで、そこで泣くわけ?まるで僕が泣かしたみたいじゃないか」
「もう良いです。委員長には何も言いません。私の癒しはやっぱり草壁さんです」
失礼しました、と言って踵を返そうとしたら委員長に腕を掴まれた。ちょっと、そこ丁度二の腕なんですけど?!やっぱり、この人乙女の敵ですよ。女の子の二の腕と言ったら、そう簡単に触ってよいものじゃないと思うんです。委員長に掴まれた腕に、思わず私の顔が引きつるのが分かる。あぁぁぁぁ、太いんだから掴むのはやめてくださ「草壁なんかのところに行くのはやめなよ」
「え?」
「だから、草壁のところなんか行くな」
「(二の腕ぇぇぇ!!)で、でも委員長私の話聞いてくれなかったじゃないですか!!」
私が言うと、委員長が私の二の腕を掴んだまま、はぁとため息を吐いた。いや、別にため息はいても良いから私の二の腕は早く開放して欲しいんですけど。もう、先ほどまでこぼれそうだった涙もすっかり引いて私の顔は幾分、必死な顔になっているだろう。いや、だってこの委員長に二の腕つかまれてるんですよ?!「あれ、最近太った」なんて軽々しく女の子に言ってくる委員長ですよ?!そんな委員長に二の腕を掴まれた日には何ていわれることやら・・・(せめて、豚とは言わないで!)
「僕、他の女子が風紀に入ってるなんて聞いてない」
「は、はいぃぃ?!」
「僕が聞いてもいないのに、他の女子が風紀委員をするわけがないじゃないか」
委員長が掴んでいた私の二の腕から手を離しながら、そんな事も分からないの、この馬鹿が、みたいな目で見られたような気がする(これは間違っていないと思う)だけど、私はしっかりとこの耳で聞いたんだ。だから聞き間違いなんてことは絶対にない。委員長がどんなに私のことを馬鹿にしたような目で見たとしても、私は直接言われたんだ。あ、でも委員長が聞いてないんなら間違いだったのか?あー、だとしたら私ってただの馬鹿じゃない?(正解)
「・・・それに僕が以外の女子を風紀委員にしないよ」
「い、委員長?」
「どうやら君の事を僕は気に入ってるらしい。認めたくはないけど」
「委員長、最後の一言は余計ですよ」
あぁ、委員長がこんな風に思ってくれてたなんて思ってもみなかった。仕事なんて最近やっと仕事をできるようになって、小言ばかりしか聞いたことがないけど私が思っていた以上に私は風紀委員として認められているらしい。あの天下の風紀委員長から認められてるなんて、すごくない私?(調子にのりすぎだね)
「で、はなんでそんな勘違いをしてきたわけ?」
「・・・・え、いや。違うなら良いんです!!じゃ、私残りの仕事があるんで!!」
そう言って、先ほどと同じように踵を返して応接室から出て行こうとしたら、またもや二の腕を掴まれた。お、お願いだから二の腕は掴まないでぇぇ!!という私の訴えも虚しく、委員長は目を細くして睨みつける。何やら、怒っているようにも見えないこともないんですけどー。だけど、これを聞いた状況を言ったらもっと怒られると思うんですよね「風紀委員の癖になになめられてるの」って。
「早く言え」
「(命令形になったんですけどぉぉ?!)」
さすがに、委員長に睨まれて勝てる私じゃありません。って言うか、勝ている人がいるなら今すぐここに連れてきてください。あ、無理?私もそう思いますー、と少しだけ現実逃避をしていると委員長の二の腕を掴む力がだんだんと強くなってきた。
「い、痛いです委員長!!言いますから離してください!!」
私が叫びながら言えば、やっと委員長は私から手を離してくれた。少しだけ赤くなった二の腕をさすりながら私は先ほどの状況を委員長に説明した。
放課後、何人かの女子に呼び出されてその場所に言ったら3年生の先輩と思われる人がいたんです。はっきり言って、この状況をみたら私でも分かったんですよ、リンチの呼び出しだ★って。ですけど、さすがに天下の風紀委員がたかが女子に呼び出されたぐらいで逃げるわけにも行かないじゃないですか?だから私はその女子達の話をおとなしく聞いてたんです。そしたら、一人の可愛い女の子が言ったんです。
「『私が風紀委員になったからあんたはもういらない』って」
「それで、は馬鹿だからその言葉を鵜呑みにしたってわけ?」
「馬鹿じゃないですけど、信じたんです」
「・・・そもそもなんで呼び出されたの?」
「え、いや、別にそれと言って理由はありませんよ?」
「なかったら呼び出されるわけないだろ?」
恐ぇぇぇぇ!!だけど、これだけは言えないんです委員長。だって、呼び出されたのは委員長に近付くなって用件だったんです!!委員長、顔だけは良いですからね、モテるみたいなんですよ。ビックリデスね!!あぁ、だけどどこかで納得してる自分がいるんですよ。できる委員長に、任された仕事も満足に出来ない自分。とてもじゃないけど、呼び出すほうの気持ちもわかっちゃうんですよね(少しだけ悲しいけど)
「まぁ、理由は知ってるんだけど」
「知ってるんですか?!」
「僕がこの学校の事でしらないことがあるはずないだろう」
委員長の言葉に妙に納得してしまう自分がいた。確かに、この並盛大好き委員長がこの学校で知らない事なんてないのかもしれない。なんだか背中に寒いものがはしったのはここにいる私だけじゃない。多分、草壁さんも今頃、悪寒かなにかあったんじゃないだろうか。
「まさか、ここまで馬鹿な集団とは思わなかったけど。咬み殺しておくか」
「(あぁ、あの女子生徒死んだな・・・)」
私が少しだけ、あの女子生徒たちに同情を覚える。だって、この人加減なんてしらないんだもの!!もしかしたら明日には女子生徒たち入院してるかもしれないなぁ・・・あはは、と思っていると委員長に睨まれた。すみません、私にらまれる理由が分からないんですけど。あぁ、風紀委員のくせに何してくれたんだ、あ゛ぁ゛?みたいな感じだったりするんですか。それなら謝るんで許してください。あの女子生徒と同じ道をたどるような事はしたくないんです!!
「どうして、その事を僕に言わなかったの?僕のせいで呼び出されたのに」
「いやいや、私が委員長の近くにいてろくに仕事が出来ないから呼び出されたので、委員長のせいなんてことありませんから!!」
「まぁ、それはそうかもね」
「(・・・・やっぱり、この人鬼だ!!)」
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