ねぇ、神様私は夢を見ているんでしょうか。いやいや、そんなはずはありまえせんよね。だって、私は今さっき夢から覚めてちゃんとこうして学校へと来たんですから。いえ、下足箱で靴に履き替えている時は別にこれが夢だとは思ってなかったんですよ。問題はその後です、その後。教室に入った瞬間、私は夢を見ているのかと思ったんですよ。何ですか、この虐め行為。何で、私の机の上に花束なんて置いてあるんですか。すいません、そこの貴方理由を教えていただけますか?
「・・・・・あるお方が置いていかれました」すいません、声震えてますけど大丈夫ですか?あるお方って誰ですか、と思った瞬間私は一気に、あぁ、またあの人か、と私は直感的に感じ取ることができました。分かってます、一体この虐めみたいなことを誰かがしたかなんて。クラスのみんなが固まってる時点で一体誰がこんなことをしたかなんて分かってるんですよ。




「ねぇ、草壁。君のところ委員長一回病院行った方が良いと思うの私だけかな?違うよね、本当は風紀委員みんな思ってることだよね?って、お前目そらさないでよ。


「・・・・・・」


「無視なの?ねぇ、なんでそこで無視するの?」





同じクラスの草壁は私を無視して、目までそらすんです。酷いですね。本当にこの男悪魔に心を売ってしまったのですか。もちろん、悪魔と言うのは、この学校では知らない人はいないある委員長をさすんですが。しかし、草壁。君のその右の頬はどうしたんですか?昨日話していたときにはそんな傷ありませんでしたよね。・・・・・・・あー、はいはい、あの男の仕業ですか。だから、私と話してくれなくなったんですね、草壁は。私と話したせいで昨日あの後、あの金属の棒で殴られてしまったんですか。ごめんなさい、それなら仕方がないですよね。草壁も何だかんだ言って痛いの嫌いですよね。酷いなんて言ってごめんなさい。心の底から謝ります。しかし、よくよく考えれば何故私が草壁に謝らなければならないんでしょう。普通こう言うのは草壁の右の頬の傷を作った本人が謝るべきだと私は思うんですけど。って言うか、この花束ゴミ箱につっこんでも良いですかね。




「やぁ、。おはよう」

「・・・・・」

「朝から無視だなんて酷いんじゃない。折角、この僕が会いにきてあげたのに」

「(・・・・・・・・)おはようございます、雲雀くん」

「へぇ、君草壁の事は呼び捨てなのに、僕のことはくん付け?それにこの前、恭弥って呼んでも良いって言ったはずだけど」


「すいません、そこまで仲の良くない人を呼び捨てどころか名前で呼べるわけありませんから」

「何を言ってるの?僕との関係だろ」

「いやいや、私、雲雀くんとは良く言ってクラスメイトぐらいの関係ですから」

「そんな事言って、ここじゃ皆がいるから恥ずかしいって正直に言えば良いのに」

「言いません。むしろ、意味が分かりません」



朝から電波を飛ばしすぎですよ、君のところの委員長は。と草壁を睨めばまたあっさりと草壁は私から目をそらした。やっぱり酷い男ですね、草壁は。小学校の頃は私が助けてあげたこともあったのに、貴方は中学で知り合ったこの雲雀恭弥と言う男の方を選ぶのですね。まったく友情というものはなんとはかないものなんでしょう!
「ほら、恋人なんだから僕のこと名前で呼んでよいんだよ?」あー、もうお前本当に黙れよ!って、言いたいです。とても言いたいです。しかし、相手は仮にも並盛最強の男です。それに比べて私は非力な女の子なんです。無理です。いえる訳がないんです。私は結局朝から電波をとばしてくる男に何も言えないんです。自分の不甲斐なさに泣きそうです。






「ほら、。授業なんてくだらないもの別に受けなくてもかまわないから、僕たちの愛の巣に」


「愛の巣って、応接室の事なんですよね。私応接室を愛の巣にするつもりはありませんから」


「えっ、もしかして・・・・」




あぁ、やっと雲雀くんは私の言いたいことを理解してくれたと思った私が馬鹿でした。雲雀くんにからまれ始めて1ヶ月、それでもう彼を理解しきったと思った私が激しく馬鹿に違いありませんでした
、僕との家が欲しいって言うの・・・・・?」勘違いが凄すぎて私は一瞬何も言えませんでした。ごめんなさい、誰かこの人を殴りたいと思った私を許してください。今なら、この目の前で「大丈夫、すぐに用意させるから」と嬉しそうに笑う人間を全力でぶっ飛ばせそうな気がします。何がすぐに用意させるからですか。用意させても貴方と一緒に住むつもりなんて少しもありませんよ。まだ義務教育もおわっていないのに、暮らせるわけがないじゃないですか。そんな事もわからないんですか。いえ、分かるわけがありませんでしたね。すみません、どうやら私が彼のレベルに合わせて会話をしないといけないみたいですね。



「家なんていりません。私が言いたかったのは授業に出るので貴方とはいられないということを言いたかっただけです」


「だから、授業なんて受けなくても
「良くありませんから」


「・・・・・そこまで言うなら、僕が教えてあげるから応接室に来なよ」



なんで、そんな目で見るんですか雲雀くん。貴方、顔は良いんだからそんな憂いを帯びた顔をされたらちょっと
キュンと胸にくるじゃないですか。なんですか、この拷問は。いえ、しかしここで負けてはいけません。それになんでいつも授業受けていない雲雀くんが勉強教えてあげるよ、とかいえるんですか。貴方、電波系のくせに頭は良いんですか。それはそれでムカつきますね。本当イライラしますよ。


「行きません」


「そこまで嫌がらなくても良いんじゃない?勉強だけじゃなくて色々教えてあげ「何を教えるつもりですか、何を!」




「そんなの決まってるじゃないか、「すいません、もう本当これ以上は止めてください。ひかれます、確実にひかれます。」



「(、お前も大変だな・・・・・・)」




草壁がこちらを可哀想な人を見てきているのがとても分かりやすくて、私は本当に泣きそうになりましたよ。朝からなんですか、これ。朝から何、ちょっと年齢制限がいりそうな言葉を発言しようとするんですか雲雀くん。もう、
「さぁ、行こうか」だから、行かないって言ってるだろうが!と、ツッコミをしようとしたところで、キンコーンカンコーンと朝のチャイムが鳴り響きました。他の人たちは雲雀くんがいるのを恐がってか素直に席に早々とついています(いつもなら、無駄にまだおしゃべりしてるのに)立っているのは私と雲雀くんと、悪魔に魂を売りわたした草壁だけ。もう、いやです。泣きそうです。雲雀くんが私を連れて行こうと腕を掴みます。




「もう、正直に言います。他に可愛い子なんていくらでもいるので、私のことはもう亡き者と思って忘れてください」


「それは無理な話だよ」




無理じゃないと思います。私より可愛い子なんていくらでもいます。ほら、私の右斜め前の席の子なんてこの学校でも可愛いと噂の子なんですよ。黒い髪に黒い瞳はきっと雲雀さんの隣に並んでも違和感はないはずです。そう思いながら、雲雀くんを見れば雲雀くんは私の頬へと手をのばした。ちょっと、電波触らないで下さいよ、と言おうとした瞬間、雲雀くんはまっすぐにこちらを見て言ったのです。





より可愛い子なんていないからね」





すいません、今の言葉でときめいてしまった私は単純なのでしょうか!と思ったら周りの女の子もちらほらと、赤くなっています。もうなんですかこの人は!とりあえず、今日のところは帰ってください。これ以上ここにいられても、私は恥ずかしくて貴方の顔を見られる気はしません。そのぐらい今の言葉は破壊力抜群でしたからね!






(2008・01・05)

目が痛い。

さりげなくリクエスト作品。リクエストは雲雀に好かれる話だったんですが、雲雀が可笑しくなりすぎました。もはや雲雀の原型はとどめておりません。