俺の一日はたいがい、目覚まし時計を止めることから始まる。清清しいまでの、朝。
これでが起こしに来てくれたら、とは思うけどそこは我慢。の朝は朝食やお弁当の準備で忙しいのに、そんな手間をかけさせるわけにはいかない。そりゃ、起こしに来くれたら凄く嬉しいけど。嬉しいけど!!……なんて、一回頼まれたら断られたし、あの時のの瞳は忘れられない。
「なら、遅刻すれば」と言いながら鼻で笑われた。いや、それでも可愛いだけど!可愛いんだけどさ…!理想の兄妹像としては可笑しいというか、ここで俺が想像してたのは、「うん、私もお兄ちゃんを朝起こしたいな、って思ってたんだ」って笑顔で言ってくれるもんじゃないかな!!
おれ、間違ってないよね?!間違ってないよね?!
「いや、それは間違ってるだろ。頭ついにいかれたか?」
「ひろ、酷いー」
「……お前はもともといかれてたな」
俺の目の前でメロンパンを食べて、軽蔑した視線を送ってくるのは俺の親友である、倉田大翔。ちなみにひらがなで書くと、くらたひろと、と言う小学校からの俺の親友。本人に俺達親友だよな、と聞けば、つめたい視線を送ってくるようなツンツンボーイ。
最近はやりのツンデレ、というよりは、デレは一切なく、ツンツンしすぎだ。なんとなく、はこいつのせいで俺にだけツンツンガールになってしまったんじゃないかとも思ってたりする。
そう思うと目の前のひろにイライラがつのり、俺のはの作ってくれた甘い卵焼きを口にほおばりながらひろをにらみつけた。
「俺の可愛いを返せ……!!」
「とりあえず、病院行け」
そういいながら、ひろは青い眼鏡をあげ、次のパンへと手をつけた。やっぱり、ツンツンだ。俺にデレを誰かめぐんでくれ。誰か、っていうよりはがデレをめぐんでれくれた嬉しいんだけど……そう思いながら自分のセーラー服のスカーフをいじっていればひろからは明らかにうぜぇ、という視線で見られた。泣くぞ、コラ。親友になんだその態度。
なんとなくひろがムカついたので、睨みつけていれば、ひろは、こちらを一瞥して「お前は早く死んだ方が良いよ」と口を開いた。
「お前は俺にもっと優しくした方が良いよ」
「無理」
即答か。即答なのか。と思っていれば、チャイムが鳴りひびく。ひろは、そのチャイムに「やっと解放される」と呟くと自分の席へと戻っていった。……なんだか、が恋しいよ。と数学の先生の話を聞きながら考える。どうやら、結局俺は中心に回っているらしい。
いや、そんなの分かりきってたことだけど。
吾郎密着24時!
(希望があればまたやっちゃうかもよ!)
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