「なぁなぁ、ちゃん。自分、部活が無い水曜日は何してるん?」
「え、急にどうしたんですか?」
「いやぁ、ちょっと気になってなぁ」
「そんな事気にする暇があるんなら部活してください。ほら、跡部部長が睨んでますよ」
「まぁまぁ、ちょっとくらい良いやろ。跡部に怒られるくらいどうってことあらへん」
「いや、忍足先輩が怒られるのはどうでも良いというか、良い気味って感じなんですが、このまま行くと私も巻き込まれそうですし、そんなの本気でやってられないんですけど」
「ちょ、自分酷いな……!良い気味って、酷すぎやないか?!」
「え、どこが?」
「(自分が酷いこと言ったって言う自覚もないんか?!)」
「おい、侑士。さっさと練習に戻ろうぜ」
「あ、岳人先輩、良い所に!早く忍足先輩をこの場から連れ去って下さいよー」
「どんだけ、俺、邪魔者やねん!」
「はは、すっげぇ邪魔ってことは言えるんじゃね?」
「……ほぉ、岳人も言うようになったやないか」
「じょ、冗談に決まってんだろ?!な、な、!」
「ここで私に振るんですか?!そ、そうですよ、岳人先輩お得意の冗談じゃないですか!!やだなー、忍足先輩ったら」
「だよな!侑士ってば、何勘違いしてんだよー!」
「そうか。俺もちょっと本気になってしもうた」
「「(単純でよかった……!)」」
「それで、二人とも何の話してたんだよ」
「(見事な話のかえかたです、岳人先輩!)」
「いやな、ちゃんは部活が無い水曜日何しよるんかな、って気になって聞きよったんや」
「あ、確かに。俺達がファミレス行くって誘っても、用事があるっていって来ないしな」
「で、毎週水曜日ちゃん、何しとるん?まさか、男とデー「いやいや、それはないですから。貴方達に彼女がいないのに、そんな私に彼氏なんて作れるわけないでしょ」」
「なら、何してんだよ?」
「(えぇぇー、もうそこはほおっておいてよ。そんな並中に行って、風紀の仕事って言うかむしろパシリさせられちゃってます☆なんて言えるわけないじゃないですかー。それに部活の休みの日に人が何しようと関係ないでしょ。プライバシーの侵害じゃないんですか?!訴えても良いんですか?!訴えますよ!……って、落ち着けよ、自分。えっと、さすがに本当のことを言うわけにはいかないから、何か良い言い訳はっと)」
「なんや、やっぱり男とデー「本当あんたの頭の中はそればっかりですか」」
「しょうねぇよ、侑士だもん」
「え、岳人、俺やからって、酷ない……・?」
「だって、侑士じゃん」
「そうやな、俺やもんな」
「えっと、ほら、毎週水曜日は吾郎が迷惑をかけた人にお詫びをしにいってるんですよ。あいつ、一日一回と言わず数え切れない人たちに迷惑かけてますから、さすがにそれをそのままにしておくわけにもいかないんで、ぶっちゃけ私も行きたくないんですけど、やっぱりアレでも一応兄ですから」
「、お前苦労してんだな!」
「ちゃん、なんで俺らに相談してくれんやったん?!」
「(ふっ、ちょろいな)そんな部活で疲れてる先輩達に、私のことまで気にかけてもらうなんて!」
「何、水臭いこと言ってんだよ。俺達、仲間だろ?!」
「そうや!」
「そんな風に言って頂けるだけで、私は嬉しいですから……岳人先輩、忍足先輩ありがとうございます。やっぱり先輩方は素敵な先輩ですね!ほら、そろそろ練習に戻らないと跡部部長に怒られますよ」
「うわっ、跡部の奴こっち睨んでるぜ。」
「あかん、跡部に空気よむこと誰か教えてやって……まぁ、仕方がないな。今は練習に戻るとするか」
「頑張ってくださいね!あと、さすがに毎週水曜日吾郎のことを謝りに言ってるなんて恥ずかしいんで秘密にしててくれませんか?あと、こういうことなので、毎週水曜日は本当に、非常に、残念なんですが先輩達と遊べないんですよ。本当……すみません」
「馬鹿。お前が謝ることじゃねぇよ。そういうことじゃ、仕方がねぇからな」
「そうやで?相談したくなったらいつでも、俺らを頼って良いからな。じゃあ、ちゃんも仕事頑張ってな」
「はい!」
「あー、馬鹿な先輩達で良かった」
「お前、先輩達の扱い方覚えたな。だけど、あんな白々しい芝居に引っかかるなんてあの先輩達の今後が心配だ」
「あぁ、そうだね……で、日吉は私が何してるか聞かないの?」
「俺はそんなことに興味は無い。それに、言いたくなったらお前から言うだろ」
「……日吉の爪の垢、あの先輩達に飲ませてやりたいわ」
「お前なら本気でしそうだな。」
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